May 12, 2011

METライブビューイング「オリー伯爵」

METライブビューイングでロッシーニの「オリー伯爵」。初めて観る演目だが、これは文句なしにすばらしい舞台。これまでに観たMETライブビューイングの中でも一、ニを争う満足度の高さ。フアン・ディエゴ・フローレス、ダムラウ、ディドナートという歌手陣は信じられないような見事な歌唱を聴かせてくれるし、バートレット・シアーの演出は才気にあふれてて本気で笑えるし、衣装はどれもこれもかわいいし、オケはいつものようにうまいし、話は際どいし(第2幕、あんな展開になるなんて)、コメディとして完璧。世の中、こんなに美しくて愉快なものはそうそうない。
●幕が開けてすぐ、色男のオリー伯爵が隠者に扮して登場するんだけど、こんなに甘い声で歌う隠者がどこにいる。フアン・ディエゴ・フローレスの扮装だけでもおかしい。ダムラウは歌は最高だろうけど容貌的にどうなのかなと思ったら、なんかかわいいんすよね、キャラが。幕間インタビューでダムラウとディドナート(小姓役)が仲睦まじくというか、イチャイチャしてる(!?)雰囲気とか妙にドキッとする。女同士なのに。いや、ラストシーンはそんなもんじゃ済まないんだが。
●オペラで「笑い」をとるには、歌がスゴいってのが一番の近道かも。痛快だから笑える。あと、これはワタシだけかもしれないんだけど、喜劇は笑ったもの勝ちだけど、悲劇は泣いたもの負けって気がする。
●フローレスはこの日、子供が誕生したって言うんすよ。前夜一睡もしてなくて、開演30分前に赤ちゃんが生まれて、それからダッシュで劇場に駆けつけた、と。で、それが自宅で水中出産だったっとか。なんか、ニューヨークのセレブ!って感じがするよなー、知らんけど。

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