May 17, 2011

名曲・名演の違いを探る本

南米選手権、日本が辞退伝える。いったん海外組で出場できそうな気配だったけど、結局は断念。選手の立場を考えるとむしろ安堵。次の機会に、Jリーグを休んで国内組代表で参加してほしい。
名曲・名演の違いを探る●「名曲・名演の違いを探る!! CDでわかるクラシック入門」(広上淳一監修/ナツメ社)。これは良書。「図解でわかる」ことと付録CDの「音でわかる」ことに特徴がある解説書で、内容的には相当に突っ込んでいて、初心者向けではなく、むしろある程度よく知っている人向け。とてもためになる。ベートーヴェンの「運命」を題材に、カラヤンの古い録音とノリントンの古楽器オーケストラの演奏を聴き比べようというところからスタートする。「運命」一曲について100ページ近くを費やして解説するというところがスゴい。第1楽章で運命の動機が全502小節中299小節で登場するとか、第2楽章210小節以降のオーボエの複前打音を2拍目ちょうどに吹くかその前に吹くかとか、速度標語とメトロノーム記号の関係とか、それくらい突っ込む。図やイラストが豊富で本文2色刷り。
●広上淳一氏は「監修」であって、構成・執筆には早川元啓氏(別名早川きょーじゅ。「おしゃべりヴァイオリニスト」としても活躍中)をはじめとする執筆者の方々が携わっている。各ページのテーマ設定から図解の工夫まで、ありえないほどの労作。敬服するしか。

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