June 8, 2011

ニッポンvsチェコ代表@キリンカップサッカー2011

ニッポン!●前の試合に続いて、この日もザッケローニ監督は3-4-3のフォーメーションを用いてきた。中盤の4の両サイドに長友や内田のような本職サイドバックの選手を置くタイプの3-4-3。つまりザッケローニにとってこの大会はオプションとしての3-4-3を試すための試合ということになるんだが、これの意味ってどう解釈されているんだろう?
●かつてザッケローニが頭角を現した際、3-4-3を好み、イタリアでは非常に攻撃的なサッカーをする監督とみなされていたと思う。だから、過去の成功体験に基づいて、彼の出世作ならぬ出世フォーメーションである3-4-3にこだわろうとしているのかな……と当初は思ったんだが、それはきっと違うと気づいた。誤解かもしれないんだけど、ワタシのなかで腑に落ちているのは、今のザッケローニにとって3-4-3は実は守備的に戦うためのオプションなんじゃないかということ。
●つまり今の代表の本来の形は4-2-3-1(あるいは4-3-3とも)で、これはもともとかなり攻撃的。それに比べると3-4-3はセンターバックを3枚置けるのが最大の違い。今日のように今野を置いた上にさらに吉田と伊野波(途中から槙野)みたいな屈強なストッパーを2枚置ける。一方で中盤の4のサイドに置く選手は、ハーフの選手ではなく4バックのサイドバックの選手。で、前線はなにも変わらない。本当に違うのはセンターバックの枚数。ということは、これは相手が高さ勝負で放り込んできたときとか、とにかく失点しないための戦いをするとき用の守備戦術としての3-4-3だろうと。「3-4-3は攻撃的」というのはサッカー史の中で形成された先入観であって、ザックは失点を防ぐためのオプションをテストしていたにちがいない。実際、2試合とも0-0のスペクタクルを欠いたゲームで終わったので、テストは成功を収めたんである。
●GK:川島-DF:伊野波(→槙野)、今野、吉田麻也-MF:長友、遠藤(→家長)、長谷部、内田-FW:岡崎(→関口)、李、本田。途中交代の家長は中央に入って10番を背負っていた。なんだかびっくり。
●今後実戦で(あ、これも実戦か。つまり公式戦で)ザックがどんな場面で3-4-3を使うかを見れば、その意図ははっきりするはず。きっとオーストラリア相手に守る場面とかで使うと予言。
●さて、ペルー戦に引き続いて引分けに成功したので、全世界サッカーファン(の中の変わり者)が注目する「非公式サッカー世界王者(UFWC)」のタイトルは引き続きニッポンが保持することになった。またも防衛に成功するとは。ザック、おめでとう。非公式でもこの世界でニッポンがチャンピオンになれる機会はあまりないから。

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