October 31, 2011

エンリコ・オノフリ&チパンゴ・コンソート Live in Japan 2011

●今年も来日してくれたエンリコ・オノフリ。28日(金)のバロック・ヴァイオリン・リサイタル(白寿ホール)、30日(日)のオーケストラ・コンサート(石橋メモリアルホール)に足を運ぶ。両日とも本当にすばらしかった。28日は彼のソロをたっぷりと聴けるプログラムで、ヴィヴァルディ、コレッリ、ヘンデル、ヴェラチーニのソナタ、タルティーニ「悪魔のトリル」、ヴィヴァルディ「ラ・フォリア」。オノフリの切れ味鋭い鮮烈な技巧、豊かな歌心に眩暈の連続。変幻自在のソロに一歩もひけをとらないチパンゴ・コンソートの3人(杉田せつ子、懸田貴嗣、渡邊孝)も見事。スリリングな「ラ・フォリア」は圧巻だった。
●30日は協奏曲中心。前半にコレッリの合奏協奏曲第1番、ビーバーのバッタリア(大笑!)、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「ムガール大帝」。すさまじいテンションの高さ。後半はヴィヴァルディ「調和の霊感」第11番ニ短調とバッハのブランデンブルク協奏曲第3番、ジェミニアーニの合奏協奏曲「ラ・フォリア」。この日もラストに「ラ・フォリア」が置かれて白熱、会場の全員がぐいぐいと音楽に引き込まれていく雰囲気を客席で感じた。これまでのオノフリ&チパンゴ公演のなかでも今年がいちばん楽しかった。
●「ラ・フォリア」って名曲だけど聴く機会が多いし、頭にこびりつきやすいじゃないすか、コレッリやマレも含めて。なので「ラ・フォリア」は自分の中ではベートーヴェン「運命」とかドヴォルザーク「新世界」とかプッチーニ「ボエーム」とかと同じ箱に入っていて、なるべく最強に強まった演奏でのみ触れたいというわがままな欲求を感じるんだけど、この2公演はどちらもこれを聴かずにいつ聴くのかという最強の「ラ・フォリア」。満足。
●しかし今回いちばん嬉しかったのは、2公演とも全席完売だったことかな、別に主催者じゃないんだけど(笑)。客席数の違いもあるからこれまでの公演と単純に比較できないにせよ、ようやく伝わるところに伝わってきたのかなと思うし、やっぱりライブはお客さんがぎっしり入っているほうが特別な雰囲気が生まれやすい。どうやったらオノフリのすばらしい音楽を広められるのかということに、これまで主催者は本気で取り組んできた。これでまた新しい可能性が開けてきたのかなと感じる。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/1819

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「チッコリーニのモーツァルト」です。

次の記事は「横河武蔵野FC対MIOびわこ草津@JFL後期第13節」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ