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December 10, 2011

HMVの年間チャート

●いよいよ12月も中旬に入って「今年を振り返る」モードがあちこちで発動中。で、CDのセールスはどうだったかなと「HMVクラシック2011年間チャート」を眺めると、やはりというか、ものの見事に上からずらっと激安BOXセットが並んでいる。チェリビダッケ・エディションは4つともトップ10に入っているのかとか、それはそれで興味深いんだけど、新録音でレギュラープライスというと、かろうじてアルゲリッチとアルミンク&新日フィルによるショパン&シューマンのピアノ協奏曲がトップ20に食い込んでいるのみ。過去の名盤と現在の新譜とであまりに1枚あたりの単価が違いすぎるから、同列に並べてもしょうがないんだけど。icon
●ずっと前からCDの激安BOXセットというのは、ストリーミング型定額制へと移行する過渡的な段階なんだと思っていた。1枚2000円の新譜が旧譜になって1枚1000円になって、それが5枚組2000円になって、10枚組2000円になって……と進むゴールは、聴き放題月額2000円みたいな世界だろう。実際、ある部分ではそうなりつつある。日本国外でのEMIとNMLの関係を見ててもそういった実感はあったんだけど、一方でEMIのレコード部門がユニバーサル傘下に入ることになって、今後どうなるのかはよくわからない。
●もし新譜はCD中心でリリース(コンサート会場で売るから)、旧譜はストリーミング定額制で、という住み分けができた場合、みんな旧譜の名盤で満足してしまい新譜を聴かなくなるんじゃないか、という心配をする人もいる。そうかもしれないけど、むしろ逆なんじゃないかって気もする。旧譜が定額で好きなだけ聴けるようになったら、急に存在感が薄くなり、みんな新譜しか話題にしなくなる。さらに旧譜がパブリック・ドメインになって無料になったら、ますますみんな旧譜を聴かなくなる。それじゃ消費欲が満たされないから。