March 20, 2012

書くためのフォント ~ 美しい等幅フォント (1)

●ブラウザなどで「読むためのフォント」は美しいものがいくつもある。でも「書くためのフォント」となると、選択肢は狭くなる。原稿を書くときは、たとえば「18字×26行」とか「2000字=400字を5枚」といったように指定文字数があるので、等幅フォントで書く必要がある(ワタシは秀丸エディタで書いている)。で、Windowsだとこの等幅フォントが弱いんである。
●メイリオは文句なしに読みやすいフォントなんだけど、なぜか等幅フォントがない(メイリオは日本語部分は等幅で、欧文はプロポーショナルになる。これは読むには最適だが、エディタ向きではない)。じゃあなにがあるかといえばMS明朝とMSゴシックなんだが、どちらも画面上ではビットマップ・フォントが出てきて21世紀とは思えないカクカク具合。
●で、そんなんじゃ美しくないから、ワタシはDF華康ゴシック体というフォントを使っていた。これはゴナ系というか新ゴ系の書体で、Windows上では問題なく美しい。ところが、古いフォントであるためか、ユニコード対応ができていなくて Dvořák とかがちゃんと表示されない。だんだんテキストファイルもS-JISよりUTF-8を用いることが増えてきたので、これじゃあ困る。で、なにか美しくてなおかつ Dvořák を表示できる等幅フォントを探していた。
●で、見つけたよさげなフリーのフォントをいくつか以下に。

メイリオ・メイリオ改・meiryoKe・ttfname3
http://web1.nazca.co.jp/hp/nzkchicagob/m2x0897/mrkta4fz.html
これはメイリオから強引に等幅化したもので、字形はメイリオそのもの。これをインストールしてしまうというのが、なにより手っ取り早い解決策ではある。もしメイリオのわずかに平体がかかったような字形に違和感がなければ。

IPAゴシック
http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/index.html
独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) によって配布されているフォント(明朝やプロポーショナル版もある)。ベースになっているのはタイプバンクのTBゴシックで、伝統的な字形のゴシック。オープンソース定義に準拠したライセンス。保守的だが、落ち着いている。

VLゴシック
http://vlgothic.dicey.org/
M+アウトラインフォントベースの新ゴ系フォント。字形がとても美しく今風。しかも「パ」と「バ」、0(ゼロ)とOの区別もはっきり付いて機能的。すばらしい。

Migu(ミグ)フォント Migu 1M または Migu 2M
http://mix-mplus-ipa.sourceforge.jp/migu/
M+フォントの不足漢字をIPAフォントから持ってきたMigMixにいくつか改変を加えたもの。半濁点が大きく、「パ」と「バ」を間違えようがない。0(ゼロ)はMigu 1Mでは斜め線が入るタイプ、Migu 2Mでは中央にドットが入るタイプ。VLゴシックをさらに一段前に進めた印象だが、マジメな文章にはポップすぎるかもしれない。

●ただし一つ注意を。等幅メイリオ以外の下の3つは、Windows環境によってはうまくアンチエイリアスが働かなくて、ジャギジャギした感じになると思う。それを回避するにはもう一段の工夫が必要で、たとえば gdipp のような Windowsの標準GDIを乗っ取るソフトウェアを入れることになる。が、これはそれなりにPC扱いに慣れていないと苦労するかもしれない。そのあたりはまた改めて。 →つづき

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