May 11, 2012

イーヴォ・ポゴレリッチ・リサイタル

●9日はイーヴォ・ポゴレリッチのリサイタルへ(サントリーホール)。プログラムはショパンの葬送ソナタ、リストのメフィスト・ワルツ第1番、ショパンのノクターン ハ短調op48-1、リストのピアノ・ソナタ ロ短調。死と祈りの気配が色濃く立ち込めるプログラムだが、そうでなくてもポゴレリッチを聴くということは儀式への参加に近い。そしてあらゆるギミックが待ち構えている。開演前にピアノを静かに鳴らす男性がいるから調律師かと思えば着替える前のポゴレリッチ本人だったとか(すよね?ニット帽みたいなのをかぶっていた)、舞台と客席の照明をぐっと落として典礼の雰囲気が生み出されるとか、楽譜を持参して悠然と袖から登場するピアニストと影のように寄り添う譜めくりのお兄さんであるとか。
●きっとテンポは極端に遅く、強弱のコントラストが両極に寄った演奏になるのだろうと覚悟していた。一曲目のショパンは思ったほどではなかったが、リストのソナタは何分あっただろうか。50分くらい? 曲の骨格を見失い迷子になりつつも、文脈よりも拡大鏡を通した瞬間瞬間に耳を傾ける。アクセルとブレーキを同時に目一杯踏み込みながら、ジリジリと前に進むようなテンションの高さ。こちらの緊張の糸はとても最後まではもたない。神聖な儀式を執り行う祭司のようでもあり、反則スレスレ技を次々と繰り出す悪役レスラーのようでもあり。センセーショナルだった。
●本日11日はなぜか青森の六ヶ所村で公演がある。レポート、待ってます!(←誰に?)

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