July 18, 2012

SUPER 8 (J.J.エイブラムス監督)

「SUPER 8」●WOWOWで放映されていたので、映画館で見逃していた(なんだって見逃している)「SUPER 8」(J.J.エイブラムス監督)を見る。なるほどー、公開時に賛否が割れていたのはそういうことだったのか。製作者スティーヴン・スピルバーグに対するオマージュ満載で、「未知との遭遇」や「E.T.」のような過去の名作成分がどっさり。スーパー8とは8mmカメラを指しており、70年代末に自主制作映画に夢中になる少年たちを主人公としている。ノスタルジーだけでできているような映画で、ストーリー的には綻びだらけでどうしようもないのだが、それでも十分楽しんでしまった。スーパー8mmカメラなんて触ったこともないけど、強いて自分に当てはめて言えば「ラジカセ」みたいな感じかなあ、彼らの年頃で眠るのがもったいないくらい夢中になったアイテムといえば。
●筋の整合性っていうのも、どんなときでも高けりゃいいってものでもないのかも。オペラなんて、もともとまるで整合性がない骨格だけの物語でも、音楽と演出さえあれば生き続けているわけだし。
●とはいえ、この映画のいちばんの見どころはエンドロール。物語が一通り終わったところで、少年たちが映画内で撮っていたチープなゾンビ映画が披露される。これが本編よりずっと感動的(中身はまるでどうってことはない)。オタク男子が撮りたい映画と来たら、きょうびゾンビ映画に決まっているのだ。そして彼らが憧れるクラスで人気の女子といえば、柄の悪い父親がいて(でもホントはいい人)、なおかつ美しくゾンビを演じてくれる女の子しかありえない。

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