ドミノ・ピザ
September 25, 2012

スクロヴァチェフスキ&読響のデ・フリーヘル編「トリスタンとイゾルデ」

●24日はスクロヴァチェフスキ指揮読響へ(サントリーホール)。ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、リチャード・ストルツマン(もう70歳って)のソロでスクロヴァチェフスキ作曲クラリネット協奏曲(日本初演)、ワーグナー~デ・フリーヘル編「トリスタンとイゾルデ」。この後半のワーグナーが圧巻だった。こんなにスゴい音が出てくるの?と思うほどオケが雄弁、しかも精妙。そして「トリスタンとイゾルデ」がデ・フリーヘルの編曲で完全に一曲の交響詩として鳴り響いていたのがすばらしい。
●なんらかの理由で「ワーグナーのオペラをどうやったらオペラ抜きで(≒コンサートで)聴けるか」という矛盾した欲求を抱えている人は少なくないと思うんだけど、これは結構難しい、と思っていた。デ・フリーヘルの編曲も95年のデ・ワールト盤をリリースされてすぐに聴いているはずなんだが、そのときの印象は芳しくなくて存在自体を忘れていたようなもの。でもこの日のスクロヴァチェフスキ&読響で聴くと、まるでR・シュトラウスの「英雄の生涯」や「アルプス交響曲」のように、ストーリー性は確かに持っているんだけどそれを知らなくても音だけで起承転結が成立する作品として「トリスタンとイゾルデ」が再創造されていた。物語はばっさり切り落として聴きたいところだけを聴ける「トリイゾ」。編曲というか編集のセンス。交響詩「トリスタンとイゾルデ」の最適解に出会えたという喜びを実感した。めったに聴けない水準の名演。
●あのイングリッシュ・ホルンの長大なソロ。ピットの中からでも十分異質な空気は生まれてくるけど、コンサートホールの舞台で聴くと本当に面妖怪異。一人が延々とソロを吹く間、客席のみならず舞台上の大勢がじっとして耳を傾ける異空間。手に汗握りながら聴きほれる。最強に強まっていた。

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