November 13, 2012

J2閉幕。昇格プレイオフと町田の降格

●J1よりも一足先にJ2が閉幕。22チームものクラブで争った結果、1位ヴァンフォーレ甲府と2位の湘南ベルマーレがJ1自動昇格へ。湘南は最後に京都を交わしての自動昇格。おめでとうございます。
●で、昇格枠の残り1つは、今年から3位から6位までの4チームによるプレイオフで争われることになった。最初、これってどうかなと思ったんすよね。ホーム&アウェイの長いリーグ戦を戦った以上、もう決着は本来ついてるわけだから。それをひっくり返す意味なんてあるの?と。
●でも少し思い直した。プレイオフをやると3番手の昇格チームには少なからず追い風が吹くはず。プレイオフ自体の経済効果もあるだろうし、4チームのプレイオフを勝ち抜いたとなれば地元からの注目もがぜん集まる。スポンサー集めにも吉。経営基盤の弱いチームが多い2部リーグだからこそ、こういう工夫が必要なのかも。
国立競技場●で、このプレイオフ、実は変則的なルールだってことを今日になって知ったんだけど、まず準決勝として、京都(3位)vs大分(6位)、横浜FC(4位)vs千葉(5位)を、それぞれ順位上位チームのホーム一発勝負で戦う。ホーム&アウェイではない。で、決勝は国立で中立地一発勝負。おもしろいのは、準決勝も決勝も延長戦がない。引分けで終わった場合、順位上位チームが勝ち抜けるんである。つまり上位チームは圧倒的に有利だ。準決勝では地力のある側がホームで戦えて、しかも引分け以上でいいんだから。露骨にカウンター狙いも可。万一、先に失点したとしても、追いつきさえすれば勝てるわけだ。
●なので、リーグ戦を3位で終えた京都がもっとも有利に戦える。理にかなっているようなかなっていないような……。ちなみに同様の昇格プレイオフはイングランドにもあるようで、2部リーグ(フットボールリーグ・チャンピオンシップ)では3位から6位のチームで一つの昇格枠を争う。今回のJ2と同じような形式だが、違うのは彼らは準決勝からホーム&アウェイを戦う。J2方式とイングランド方式、どっちがいいのかはわからないけど、今回のプレイオフ、順位上位チームがどんな戦術をとるかは要注目かと。
●あと、最下位に終わった町田ゼルビアは、史上初めてJリーグから降格するチームになったわけだ。これまでJ2は降格がないのがどうにも下位に緊張感を欠いていたように思うんだが、ついにJFLへの降格チームが出た(JFLからは長崎が上がってくる)。町田はせっかくJFLから昇格したと思ったらあっという間に戻ることになってしまったが、東京都のクラブでもあることだし、1シーズンでまたJ2昇格することを願う。
●やっとJ1、J2、JFL、地域リーグが昇格・降格ルールでつながった。下部リーグから上位リーグへの昇格は戦績以外にスタジアムの整備やら経営状態やらいろんな要素があるが、上から下に落ちるには、ただひたすら負け続けるだけでいいんである。つまりJ1にいた栄光のチームが、地域リーグ(関東リーグ1部、関東リーグ2部、東京都1部、2部、3部……)まで落ちていくということも可能になった。夢が広がる……いや、悪夢が広がるというべきか。

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