January 22, 2013

マーラーの交響曲第5番、インバル&都響→セゲルスタム&読響

マーラー●昨年、MTT&SFOのマーラー交響曲第5番を聴いたときに、「もうこれで10年はマーラー5番は聴かなくていいんじゃないかな」と思った、あまりにも満足したので。が、なんということであろうか、年が明けたと思ったらもう聴いているんである、この曲を、しかも二日連続で。
●20日は東京芸術劇場でインバル&都響。前半がモーツァルトのフルート協奏曲第2番(上野由恵)、後半にマーラー5番。さすがこのコンビというか、ともにマーラーを得意とする指揮者とオーケストラだけに圧倒的な完成度。細部まで彫琢されて、解像度も十分、響きの美しさを保ちながらも推進力にあふれた熱演に。演奏中から予感されたように曲が終わると大ブラボー、一般参賀コースへ。インバルが一度呼ばれただけでは拍手が収まらず、続いて首席トランペット奏者、さらにコンサートマスターまで呼ばれてインバルとともに3人で一般参賀というロイヤルファミリー状態。
●そして21日はサントリーホールでセゲルスタム(セーゲルスタム)&読響。こちらは前半にモーツァルトのピアノ協奏曲第23番(菊池洋子)、後半にマーラー5番と、プログラム構成まで前日と似ていたんだけど、結果的にはまったく違う音楽を聴くことに。セゲルスタムのマーラーはおもしろすぎ! 伸縮自在のテンポ、ひなびた節回し、豪快な鳴りっぷり、ときには推進力を犠牲にしてでもねっとりと歌いこむ強烈に土臭いマーラー。前日と同じ曲を聴いたとはにわかに信じがたい。めったに見られない大技が鮮やかに決まったみたいな満足感あり。これぞライブの醍醐味って気がする。
●前半のアンコールで菊池さんがセゲルスタムの小品を独奏。Seven Questions to Infinityという、彼の量産中の交響曲群と同じように思わせぶりなタイトルが付けられてるんだけど……。週末にセゲルスタムの交響曲第252番「ヒッグス粒子に乗って惑星ケプラー22bへ」という、もう曲名だけでジャイアントスウィング級の大技になっている作品を聴く予定なので、覚悟はできた(?)。けれん上等。
●ちなみに両日とも全席完売。マーラー5番なら無問題、なのか。

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