April 10, 2013

「東京・春・音楽祭」ミュージアム・コンサート「東博でバッハ」vol.15 寺神戸亮

●上野を舞台に現在開催中の「東京・春・音楽祭」。先日のワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」演奏会形式はネット上でも評判を呼んでいたが、この音楽祭ってこういう大型企画以外に多数の公演が上野のあちこちで開かれていて、「祭」らしさを感じるのはむしろそっちのほうじゃないかって気がする。
●で、9日はミュージアム・コンサート「東博でバッハ」。「東京・春・音楽祭」は国立西洋美術館とか東京都美術館講堂等々でミュージアム・コンサートを開いているんだけど、この「東博でバッハ」シリーズに足を運んだのは初めて。東京国立博物館の本館のほうじゃなくて、左手にある法隆寺宝物館のエントランスホールで開催される。夜だったので正門は閉まってたけど、左手の門から入れるようになっていた。
●この法隆寺宝物館のエントランスホール、がらんとした直方体の空間なんだけど、これを縦長に使うとなんと、即席シューボックス型コンサートホールのできあがり!? しかも残響が響く響く。なるほど、ここでコンサートを開くってのはいいアイディア。この日は寺神戸亮さんの無伴奏でバッハ・プロ(+テレマン1曲)。バロック・ヴァイオリン一本には程よい空間で、ぜいたくな気分でバッハを聴くことができた。特に後半の無伴奏パルティータ第2番を満喫。のびやかで明るく白熱するバッハ。
●もう終盤に差しかかってるけど、「東京・春・音楽祭」のスケジュールはこちら。本当をいえば、ミュージアム・コンサートはコンサートだけじゃなくてミュージアムも楽しみたいんすよね。ゆっくりとミュージアムで過ごした後にコンサートとか、そういうゆとりがあれば最高。この日、終演後に出口で東博の招待券(平常陳列のみ)が配られていて、またここに来ようという気分にさせてくれる。時間さえあれば、上野はいつ来てもなにがしか見るべきものはあるわけだから。

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