November 11, 2013

ティーレマン&ウィーン・フィルのベートーヴェン1、2、3

ウィーン・フィル●8日はサントリーホールでティーレマン&ウィーン・フィルのベートーヴェン・シリーズ。交響曲第1番から第9番まで順に演奏するということで、初日は第1番、第2番、第3番「英雄」。この日だけ3曲演奏して、4日間で9曲演奏する。こうして並ぶと第1番から第3番に向かう規模の拡大がよく伝わってくる。そしてウィーン・フィルの響きはやはりとても美しい。ビバ、ローカリズム。ほかのどこにもない唯一のサウンド。
●往年の大巨匠たちの系譜を継ぐような堂々たるベートーヴェンで、今聴くと少し不思議な気分にとらわれる。そういえば、ベートーヴェンはこんなだったっけ……。筆圧の強いティーレマンのタッチはしっかり刻印されているが、予想したほど強引なテンポの変化などはない。特に「英雄」の豪壮さ、雄渾さには息をのむ。第1楽章終結部のトランペットの「消える主題」は消えることなく力強く飛翔する。
●ウィーン・フィル伝統の豊麗なサウンドでこれだけ立派な演奏を聴くと「昔ながらの本格派ベートーヴェン」とつい思ってしまうんだけど、ウィーン・フィルだって20世紀前半のどこかの時点まではガット弦でノン・ヴィブラートで演奏してたんだろうし、「昔ながら」の「昔」が本当にベートーヴェン時代まで遡ってしまうとぜんぜん非ウィーン・フィル的な演奏にたどり着くだろうから、「昔」という概念は難しい。古いが新しくて、新しいが古い?
●アンコールなし、一般参賀あり。指揮台からブワッ!と前のめりで客席の喝采にこたえるティーレマン。スゴい迫力。

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