November 19, 2013

ヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の「英雄の生涯」

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団125周年●17日はミューザ川崎でマリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番(エマニュエル・アックス)、R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」というプログラム。最初のベートーヴェンから分解能の高いサウンドに驚愕。こんなにクリアに整理整頓されてて、澄明で、しかも豊潤な音がありうるとは。大編成の「英雄の生涯」はさらに強烈で、機能性をとことん高めた、ストーリーテリングの巧みな英雄譚。楽しすぎる。オーケストラってこんな音が出せるんだという素朴なレベルで圧倒されてしまった。この曲、十分にいい演奏をこれまでに聴いているつもりだったけど、すべての記憶を上書きしてしまう壮麗さ。ここを最強オケとして挙げる人の気持ちがわかる。
●ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は125周年ということで、一年間の間に欧州、南北アメリカ、アジア、アフリカ、オーストラリアを巡るワールドツアーを敢行している(→Travel Plan)。この秋のツアーはその掉尾を飾るもので、ロシア→中国→日本→オーストラリアと移動中。タフ。で、この後、12月1日までオーストラリアで9公演ほどが開かれることになっていて、「英雄の生涯」プロとチャイコフスキーの5番プロがずっと交互に続く。いったい彼らは何回「英雄の生涯」を弾いているんすかね。なのに、自分が聴いた1回は「特別な1回」であるとしか思えないという幸福。お客さんはみなそれぞれの土地でそう感じているにちがいない。

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