December 5, 2013

福間洸太朗N.Y.デビュー10周年リサイタル「五輪書を読みて」

●4日は東京文化会館小ホールで福間洸太朗リサイタル。プログラムがすばらしい。バルトークの「戸外にて」から第1、4、5曲、ドビュッシー「沈める寺」、ショパンのバラード第4番、ストラヴィンスキー~アゴスティ編曲の「火の鳥」、後半にブラームスのピアノ・ソナタ第3番。CDの新譜は「バラード~ショパン作品集」と名曲路線だけど、やはり彼はこういうプログラムで聴きたいなあ。アゴスティ編曲の「火の鳥」は「魔王カスチェイ」で始まって「火の鳥の子守歌」「終曲の賛歌」と続く。やりすぎなくらいの過剰な華麗さ、饒舌さと、技巧の鮮やかさに快哉を叫びたくなる。
●でもこの日の白眉はブラームスのソナタ。あまり家でCDを聴こうとは思えない曲なんだけど、引きこまれて聴いた。シューマンが憑依してるみたいな情熱的な作品で、粗削りのロマンティシズム、ぎこちなさ、アンバランスさゆえの巨大な楽想に圧倒される。第4楽章は交響曲第1番終楽章を連想させる。これを聴くと後のブラームスはずいぶんツルンとなめらかに洗練されたものだなあと思う。スターがブレイクする前のダサダサだった田舎時代の写真を引っぱり出してみたら、実はワイルドでもっとカッコよかった、みたいな。

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