January 9, 2014

すみだで聴き初め

●8日はすみだトリフォニーホールでクリスチャン・ツィメルマンのリサイタルへ。今年最初に足を運んだ演奏会がいきなりツィメルマン、しかもベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、31番、32番という背筋の伸びるプログラム。本来なら昨年11月に予定されていた公演なんだけど、急性腰痛症(ぎっくり腰のこと?)を発症したということで延期になったもの。
●延期の影響もあるだろうし、大ホールなのでそれなりに空席もあるんだけど、むしろ逆にツィメルマンの相変わらずの人気の高さを確認した感も。だって、この一つのプログラムで首都圏だけで所沢ミューズ、すみだトリフォニー、武蔵野、サントリー、フィリアで5公演もあるんすよ。大きなホールがいくつも。すごい。今の時点で聴ける最高水準の演奏家の証というべきか。ツィメルマンでしか聴けない独自のロマンと情感にあふれた後期三大ソナタ。楽譜を置いて自分でめくりながらの演奏。細部まで彫琢されているけど、闊達自在さも感じさせる。この曲目なのでアンコールはなし、かなり早く終演したが、密度の濃さを思えば十分では。曲が曲だけに客席は熱くなるといった感じではなく、32番の余韻をかみしめながらの拍手、スタオベも多数。
●開演前に昨年のリサイタルと同様のアナウンスが流れた。客席で隠しどりをした音源をYouTubeにアップロードされてしまいレコード会社との契約が……というような内容でいまひとつ詳細な事情がわからないのだが、メッセージの内容を簡潔に表現すると、丁重かつ親愛の情のこもった「NO MORE 映画泥棒」ということだろうか。映画館でのあのフィルムと同じ効果を発すると思う。

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