February 21, 2014

ワーナー・クラシックス・コンベンション開催。レーベル統合などについて

ワーナー・クラシックス・コンベンション2014
●20日、キャピトルホテル東急でワーナー・クラシックス・コンベンション。旧EMIがワーナーミュージックに吸収されて以来、着々とEMIレーベルの音源がワーナー・クラシックスに移りつつあるが、ワーナー・クラシックスの現状と今後について様々な発表が行われた。
●配布資料の表紙にプリントされていたレーベル・ロゴは「W」の文字でおなじみのWarner Classicsと、こちらはもっとおなじみの緑字に白抜きのEratoのロゴ2種類。今後、旧EMI系レーベルも含めて、この2レーベルに全部集約される。レーベル統合について、どういう図式になるかというと、

旧EMIクラシックス+テルデック+ワーナー・クラシックス → ワーナー・クラシックス
旧Virginクラシックス+旧EMIフランスのカタログ商品+Erato → Erato

と、こうなるんすよ! いやー、すでに承知のこととはいえ、赤いEMIロゴがどこにも残らないことに改めて感じ入る。そして、WarnerとEratoの2種が生き残るのって少し意外じゃないすか? かつてワーナーミュージックでTeldecとEratoが2本柱のレーベルとなっていた活発な時代があったわけだけど、EMIとVirginを吸収して、WarnerとEratoに集約されることになろうとは。Eratoという名前がEMIより長く生き残るとは、90年代にだれが予想できただろうか。
●それともうひとつインターナショナルの組織について。従来EMIとワーナーがロンドン、Virginがパリに拠点を置いていたのが、今後は一本化されてワーナー・クラシックスとしてパリを本拠とする。ワーナーがフランスにあるというのもなんだか不思議な感じがする。
ラトル&ベルリン・フィル「春の祭典」●カラヤンやマリア・カラスがWarner Classicsのロゴで次々リリースされるというのも、なんといったらいいのか、時代は変わるのだなあ。すでにラトル&ベルリン・フィルの旧譜だってWarner Classicsに移行しつつあって、いまさら驚くことでもないんだろうけど。
●上記写真は音楽評論の満津岡信育さんをゲストに招き、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェン「第九」の新たに発掘されたステレオ録音を試聴しているところ。カラヤンのリリース予定多数。
ベルトラン・シャマユのシューベルト●個別の新譜のリリース情報はまた機会があれば。あ、資料のなかでいちばん直近のアルバムとして載っていたのが、LFJでも活躍するピアニスト、ベルトラン・シャマユのErato専属契約第1弾の「シューベルト/さすらい人」(輸入盤)。今後のリリースにはやはりLFJに出演した若いチェリスト、エドガー・モローのEratoデビュー盤があった。LFJ系の若いアーティストたちに一気にメジャー感が。
●しかしここまで読んで、「は? なにがなんだかよくわからん」という方も少なくないと思う。「レコード会社」と「レーベル」は本来別の概念なんだけど、今はあまりそれを意識しない音楽ファンも多いだろうし、実際その必要もなくなりつつあるような気もするから、レーベルの統廃合はもはや関心を呼ぶ話題ではないのかも。

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