March 20, 2014

アンドラーシュ・シフのリサイタル

●19日は東京オペラシティでアンドラーシュ・シフのリサイタル。メンデルスゾーンとシューマンを組み合わせたプログラム。前半にメンデルスゾーン「厳格な変奏曲」ニ短調、シューマンのピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調、後半にメンデルスゾーンの幻想曲op.28、シューマンの交響的練習曲(1852年版)。ピアノはベーゼンドルファー。くっきりとした輪郭を持つ端正な音楽でありながら滋味豊か、制御された詩的情緒がもたらす愉悦を満喫。作品としてはシューマンのピアノ・ソナタ第1番が断然おもしろい。交響的、ではなく交響曲的で、いずれ生み出すことになる偉大な交響曲に向けての野心的な予告作でもある。
●交響的練習曲という作品がすごく苦手で、あの耳にこびりつく終曲でリサイタルが終わるのだけが惜しいなあ……と勝手なことを思っていたら、本編の後に充実した「第3部」がはじまった。アンコール5曲。メンデルスゾーンの「無言歌」より「甘い思い出」と「紡ぎ歌」、シューマンの「アラベスク」、そしてシューマンの幻想曲から第3楽章! ああ、幻想曲、全曲聴きたかったけど、でもこれだけでも聴けてよかった。アンコールに入ってから、一段と儀式的な雰囲気が増し、祈りの音楽へと溺れてゆく。だれもが幻想曲でおしまいだと思い、スタンディングオベーションが続いた後、最後にバッハのパルティータ第4番のサラバンド。しみじみ。余韻だけでご飯3杯いけそう。

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