September 26, 2014

ドゥダメル指揮ウィーン・フィルでシュトラウス&シベリウス

●25日はサントリーホールでドゥダメル指揮ウィーン・フィル。東京では3種類のプログラムが用意されていて、この日は二日目、R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」とシベリウスの交響曲第2番。前半からオーケストラの豊麗な響きを満喫できたけど、より楽しんだのはドゥダメル色がはっきりと出た後半。もう本当に冒頭の数小節からして、彫りが深く陰影に富んだ表情が付けられていて、猛烈に濃厚なシベリウス。背筋がゾクッとする。こぶしがきいたシベリウスというか。しかし細部まで綿密に彫琢されればされるほど、エスプレッシーヴォのインフレ化みたいなものが起きて全体の大きな推進力が失われるんじゃないだろうか、と一瞬危惧するものの、これは杞憂。終盤はダイナミックレンジを大きくとって、熱く雄大なドラマを描き切った。オーケストラの集中力も高く、近年足を運んだウィーン・フィル来日公演のなかではもっとも満足度の高い一夜だったかも。
●アンコールにヨハン・シュトラウス1世の「アンネン・ポルカ」、ヨハン・シュトラウス2世のポルカ・シュネル「雷鳴と稲妻」。喝采のなか、決して指揮台に立とうとしないドゥダメル。オケの退出後も拍手は止まず、一般参賀に。

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