March 4, 2015

イェフィム・ブロンフマンのプロコフィエフ

●3日はトッパンホールでイェフィム・ブロンフマンのリサイタル。プロコフィエフのピアノ・ソナタ第6番、第7番、第8番という「戦争ソナタ」3曲。休憩は第7番の後に。最初の第6番の冒頭から、久しく聴いていないような豪壮華麗なサウンドが聞こえてきてノックアウトされる。なんという強靭な打鍵。でもフィジカルで圧倒する押しつけがましさがまったくなく、むしろ情感豊かに感じられる。ピアノって、本当はこんな音がするんだ、というくらいの感動がある。これで第6番とか第7番の終楽章をバリバリ弾く無双プレイ。ブロンフマンのために書かれた曲なんじゃないかと錯覚する。
●ソナタ第9番まであるプロコフィエフのピアノ・ソナタ。といっても第8番でも1944年完成なので、交響曲でいえば第5番の直前あたり。晩年の作品はなにかが枯れたようにも感じられるプロコフィエフだけど、この時期はまだ元気。第6番、第7番、第8番、どの曲も猛烈にカッコいい。第8番の終楽章もすごくカッコいい。でも軽くズッコケ系入っている。すなわち、ダサカッコいい。
●アンコールはスカルラッティのソナタ ハ短調K11とショパンの練習曲ヘ長調 Op.10-8。うってかわって、弱音の繊細な表現を聴かせる。心憎いというか。
●ブロンフマンはさらに本日もすみだトリフォニーホールで同じプログラム。2日の武蔵野市民文化会館小ホールと合わせて、首都圏で「戦争ソナタ」3公演。さらに6日のサロネン&フィルハーモニア管弦楽団ともチャイコフスキーで共演する活躍ぶり。

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