April 2, 2015

コルステン&読響、ドゥダメル&LAフィル

●もう先週の話題なのでほとんど自分用メモ。3月27日はサントリーホールでジェラール・コルステン指揮の読響定期。前半はモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」他。ノン・ヴィブラートを取り入れ、細部に仕掛けを施したモーツァルトだったが、アグレッシヴではなく、音楽の表情と指揮台から何度か発せられるドスンという足踏み音との間に乖離も感じる。しかし後半のシュトラウス「英雄の生涯」は一転して雄弁なスペクタクルに。緻密に描きこんだ音絵巻ではなく、ぐいぐいと前に進むシュトラウス。豪放磊落。長原幸太さんの大ソロは鮮やか。なかなかこうはいかない。
●28日は待望のドゥダメル&LAフィル。マーラーの交響曲第6番「悲劇的」のみのプログラム。LAフィルが屈指のスーパー・オーケストラであることを改めて感じる。分解能の高さ、鮮やかな色彩。以前、同コンビのマーラーの交響曲第9番をウィーンで聴いたときも感じたことだけど、壮麗さと健全さの反面、世界の苦悩を背負って立つみたいなマーラー像を期待すると肩透かしをくらう。昨年、ドゥダメルがウィーン・フィルと聴かせてくれたシベリウスは、濃厚な表情が添えられた大柄なシベリウスだった。遠慮がちに見えたスカラ座との来日公演や、DCHで観るベルリン・フィルとの共演、SBYOとのノリノリの録音等々、聴くたびにドゥダメルの印象は更新され、一定しない。もはや好きかどうかすらよくわからない(笑)。
●「悲劇的」のハンマーは珍しいタイプで、真新しい木で組み立てられた巨大な角型巣箱(つまり前面に丸穴がある)みたいなものがステージ下手奥に置かれていた。これの上面を、木槌でぶっ叩く。衝突面の高さがけっこう高いので、P席のお客さんから見ると目の前で叩かれるわけで、相当にスリリングだったと思う。叩いた瞬間に、ぱっと細かい木屑が飛んだっぽい。あれは材料をバラして持ってきて日本で組み立てたんだろうか。
●アメリカのオケはだいたいみんなそうじゃないかと思うんだけど、開演時の入場は楽員ごとにばらばらで、時間が来たらいつのまにかコンサートマスター以外、みんな着席している。この方式はすごくいいと思うんすよね。「入場の儀」がなくなって、すっと本番に入る感が。終わった後の退場も全員でパッといなくなるんじゃなくて、ドゥダメルの一般参賀になってもまだステージ上はかなりの人が残ってる。この切れ目のないずるずるした雰囲気は好き。

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