June 23, 2015

ベルリン・フィルの次期シェフはキリル・ペトレンコに決定!

●昨日の「ノートPC起動しない事件勃発」で膨大な時間がとられて、あたふたとしている月曜日、急遽、ベルリン・フィルが記者会見を行うという報せを受け取った。会見は日本時間で20時からで、会見の様子はデジタル・コンサートホール(DCH)で生中継されるというではないか。幸い、他の予定とはぶつかっていなかったので、20時にPCの前に。まあ、家で見られるんだから、ありがたい。
●直前にベルリン・フィルの次期首席指揮者がキリル・ペトレンコに決まったといったウワサがちらちらと目に入ってきていたので、「会見がある」という時点で話の内容は察しがついた。しかし、実際にキリル・ペトレンコの名前が挙がってみると、やはり驚く。たしかに候補者陣の一角には挙げられていたかもしれないが、なにせベルリン・フィルとの共演はこれまでにたぶん3回のみ。2006年、09年、12年の定期演奏会。しかも4回目となるはずだった昨年12月の定期公演をキャンセルしてしまった(代役はハーディングでマーラーの6番)。ネルソンスが本命かなと思っていたが、すっかり意表を突かれてしまった。アバドが選ばれたときも予想外の結果だったというが、今回はそれ以上では。公式サイトでの発表はこちら。会見は質疑応答も含めて20分強であっさりしたもの(本人がいないし)。最初はドイツ語と英語が併用されていたが、質疑応答からはドイツ語のみ。
キリル・ペトレンコは1972年、ロシア生まれ。18歳の年にオーストリアに移り、ウィーン音楽大学で学んでいる。ベルリン・コーミッシェ・オーパー音楽監督他を歴任し、現在はバイエルン国立歌劇場の音楽総監督。まちがいなく活躍しているが、なにしろ日本では聴く機会がないし、録音もほとんどないのでなじみが薄いのはしょうがない。DCHにアーカイブがある2公演を頼りにするしかない。もうひとりのペトレンコ、ヴァシリー・ペトレンコのほうがよく知られているんじゃないだろうか(両者に血縁関係はない)。
●一昔前だったら、ベルリン・フィルのシェフならCDのセールスも期待されたものだが、今やそんなことはだれも気にしていないだろう。結果的に有力候補のなかではメジャーレーベルからいちばん遠い人が選ばれた感。自主レーベルの未来についてはなんともいえないが、就任する頃にはすっかり主戦場はDCHのような配信サービスに移っていると思う。
●コンクラーベが決着して、とりあえず、よかった。歓迎。ティーレマン、ネルソンス、ドゥダメルだったら、それぞれにすでにいろんな印象が固まっていて、ああだこうだと内心で余計な思いが渦巻くわけだが(笑)、ペトレンコなら期待感しかない。だって、聴いてないわけだし。

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