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September 18, 2015

ブロムシュテット指揮N響のベートーヴェン第1番&第3番「英雄」

●17日はサントリーホールでブロムシュテット指揮N響へ。プログラムはベートーヴェンの交響曲第1番と第3番「英雄」ということで、ブロムシュテットによる新たなベートーヴェン・シリーズがスタートした。これは3シーズンに渡るシリーズで、間に2016年のバンベルク交響楽団との来日公演を含むという変則ツィクルスになっている。
●弦楽器は対向配置。来月登場する首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィもそうだが、この配置が増えてきて、だんだん普通のことと思えるようになってきた。弦楽器も第1番は12型、第3番は14型で、コンパクトに。最近数シーズンに渡って聴いてきた同コンビの演奏と同様、筋肉質で推進力みなぎる音楽。テンポは速めだが、これももう特別に速いというものでもなくなってきたのかも。小ぶりな編成、快速テンポなど、外形的な特徴は少し前に行われたノリントン&N響のベートーヴェン・シリーズと共通するにもかかわらず、受け取る印象はまるで違う。ノリントンの魅力は饒舌さや当意即妙の機知といったところにあったが、ここにあるのはむしろ寡黙さ。純化されたエッセンスだけで音楽を成立させてしまう凄味を感じる。
●ベートーヴェンの交響曲第1番といえば、つい先日、山田和樹指揮日フィルで快演(怪演?)を聴いたばかり。36歳の新鋭が倍管巨大編成で20世紀風巨匠芸のような恰幅のいいベートーヴェンを聴かせる一方で、88歳の老巨匠が小編成できびきびとした演奏をするという、一見したところ裏返しのコントラストがおもしろい。演奏スタイルの新旧などというは容易に揺らぐものだし、多くの場合は振り返って後付けで語られるものという気もする。
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●明日からシルバーウィークなる五連休が出現。原則平日更新の当ブログは、不定期更新で。