September 28, 2015

バッハ・コレギウム・ジャパン第114回定期演奏会 ~ バッハ:世俗カンタータ・シリーズ vol.6

●26日は東京オペラシティでバッハ・コレギウム・ジャパン第114回定期演奏会。バッハの世俗カンタータ・シリーズ vol.6として、前半にオルガン協奏曲イ短調BWV593(鈴木優人)、「裏切り者なる愛よ」BWV203、「悲しみを知らぬ人」BWV209、後半に農民カンタータ「おれらの今度の殿さまは」BWV212。鈴木雅明指揮、モイツァ・エルトマンのソプラノ、ドミニク・ヴェルナーのバス。佐藤美晴の演出(!?)。
●前半のBWV203と209はともにイタリア語歌詞のカンタータ。協奏曲BWV593がヴィヴァルディの「調和の霊感」からの編曲であるので、共通項としてイタリアが浮びあがる。さらに203にも209にも偽作説があるそうなので、「バッハ/非バッハ」というテーマも読みとれるだろうか。バスとチェンバロのみで演奏される203は、バッハかどうか以前に、歌と伴奏があさっての方向を向いているヘンな曲っていう気もする。
●後半の農民カンタータは、なんと、演出付き。これが秀逸。農民に扮したモイツァ・エルトマンとドミニク・ヴェルナーのほのぼのカップルぶりがすばらしい。歌はもちろん、演技も達者。というか初めてこの曲の歌詞をちゃんと読んだ気がするのだが(字幕はないのでプログラムで)、世俗カンタータだけあってまるっきり世俗的というか、卑俗なことを歌ってるんすよね。歌手ふたりだけではなく、ときには楽員たちも演出に加わって、細かなところまで気が利いていて楽しい。狩のホルンを伴うバスのアリアで、ヴェルナーの横に立ったホルン奏者はN響首席の福川伸陽さん。ということに後で気づいて驚く。ところでサングラスの演出の意味はどう受けとればいいんでしょ。色眼鏡で見てるってこと?

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