October 21, 2015

グラモフォン誌のYoung Artist of the Yearにヨーゼフ・モーグ

●しばらく前にグラモフォン誌が「グラモフォン・アワード 2015」を発表したが、目を引いたのはYoung Artist of the Yearにピアニストのヨーゼフ・モーグが選ばれていたこと。この人、本当なら2014年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで脚光を浴びるはずだったのだが、惜しくも直前で来日中止になってしまった。この年は東京に先んじてナントのLFJを取材していて、ワタシも含めて取材陣の間で評判になっていたのがヨーゼフ・モーグ。ラフマニノフの協奏曲第3番やアール・ワイルド編曲のガーシュイン他を弾いていた。インタビューでもっとも情熱を注ぐ作曲家として名前を挙げたのはスクリャービン。即興演奏が得意とも。東京での音楽祭では事前紹介もしっかりされていただけに、来日中止が発表された際にはがっかり。写真のディスクはOnyxレーベルでリリースされているグリーグとモシュコフスキのピアノ協奏曲集。モシュコフスキが新鮮。楽しい。
●LFJで最初に聴いた若手アーティストが、その何年後かにもっと注目度の高い舞台に帰ってくるというパターンはこれまでになんどもある。指揮のグザヴィエ・ロトとかファンホ・メナ(=フアン・ホセ・メナ)とか、ピアノのベルトラン・シャマユとか。指揮のふたりはともにベルリン・フィルから招かれているし、シャマユはEratoレーベルの主要アーティストになった。ヨーゼフ・モーグもそれに準じるパターンといっていいかも。このあたりのルネ・マルタンの打率(?)には脱帽するしか。

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