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Discの最近のブログ記事

October 9, 2023

Gramophone Classical Music Awards 2023 発表

●英グラモフォン誌のGramophone Classical Music Awards 2023が発表されている。リンク先は販売サイトのPresto Music(こちらのほうがグラモフォン誌のサイトより一覧性にすぐれているので)。レコーディング・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、オーケストラ部門の受賞作でもあるファビオ・ルイージ指揮デンマーク国立交響楽団によるニールセンの交響曲第4番「不滅」&第5番(ドイツグラモフォン)。同コンビによるニールセンの交響曲全集もリリース。N響首席指揮者でもあるルイージだが、デンマーク国立交響楽団では2017年から首席指揮者を務めている。レコーディング・オブ・ザ・イヤーはわりとメジャー感のあるセレクトになった。
●各部門賞で目立ったところでは、室内楽部門がエベーヌ四重奏団とアントワン・タメスティ(ヴィオラ)によるモーツァルトの弦楽五重奏曲第3番&第4番(ERATO)。これは納得。ピアノ部門ではクリスティアン・ツィメルマンによるシマノフスキのピアノ作品集(ドイツグラモフォン)が受賞。メジャーレーベルはこの3点かな。いや、メジャーレーベルとマイナーレーベルを区別する意味はもうないか。
●協奏曲部門はティモシー・リダウトのヴィオラ、マーティン・ブラビンズ指揮BBC交響楽団によるエルガーのヴィオラ協奏曲(チェロ協奏曲からの編曲)が受賞(Harmonia Mundi)。この録音は自分も気になっていた。世の中、どんどんすぐれたヴィオラ奏者が出てきているけど、ヴィオラ協奏曲の名曲が足りていないといつも感じていたんすよね。本来のチェロに対してヴィオラはいかにも軽いけど、こうして受賞したということはリダウトのソロに説得力を感じた人が多かったということか。
●現代曲部門はフィンランドのロッタ・ヴェンナコスキという人の作品集 Sigla, Flounce, Sedecim。ぜんぜんなじみのない人なので、少し聴いてみる。カラフルなオーケストレーションで、かなり聴きやすい作風。このアルバムもほかのアルバムもそうだが、Pretso MusicのサイトではCD、MP3、FLAC、ハイレゾFLAC(一部)で販売されている。もちろん、ふつうにSpotifyやApple Musicで聴くこともできる。このロッタ・ヴェンナコスキという人のアルバムを下にSpotifyで貼り付けておこう。なんだか再生数が少なすぎる気がするので。

●10日の当ページ更新はお休みするので、代わりに本日に。

August 4, 2023

Hyperionレコードのストリーミング配信がスタートしたので

●イギリスの中堅レーベルとして数々の名盤を世に送り出してきたHyperionレコードが、7月28日からついにストリーミング配信を始めた。開始時点では200作品ほどのタイトルが配信されており、以後、随時タイトルが追加され、来春までにはレーベルが保有する約2500点のアルバムがそろう予定だとか。今年3月にHyperionがユニバーサル・ミュージックの傘下に入ったと発表されたとき、残念がる声も聞こえてきたが、ともあれ配信が始まったことはよかったと思う。以前だったら、あえてストリーミングをしないという戦略も独立レーベルには一理あると思っていたが、ここまで世の中が変わってしまうと、あれだけのカタログを持つレーベルが丸ごとお蔵入りしてしまうんじゃないかと気になっていた(出版界でいえばデジタル化を拒んだ「写研」のように……と言っては大げさか)。
●で、せっかくなので、ご祝儀と言ったらヘンだが、この数日間、積極的にHyperionのアルバムをSpotifyで再生している。こういった配信サービスはユーザーの支払った金額の一定割合(Spotifyは70%だったかな?)を再生回数に応じてアーティスト側に分配する仕組みになっている。だから、クラシック音楽ファンである自分としては、なるべく好きなレーベルとかアーティストの音源をたくさん再生したいという気分になるわけだ。いや、わかってる、配信の世界ではクラシック音楽はマイナーな存在であり、1回再生したところでアーティストに入るお金は本当に微々たるものであることは。どうがんばったところで、ほとんどの売り上げはヒットチャート上位曲に持っていかれる。しかし、だからといって再生しなかったらゼロなのだ。多少、狂ってるかもしれないが、ワタシは過去にCDで購入したアルバムでも、なるべく配信で再生している……。選挙で一票を投じるみたいな感覚で。
●だからHyperion、聴こうぜー、配信音源一覧はここにあるよー、という話なのだが、気になるのはSpotifyで表示される各トラックごとの再生回数。今のところ、自分が再生したアルバムはどれも全トラック表示がない。まだ更新されていないということなんすかね。いったいどれくらい再生されているのか、気になるところではある。主要アーティストはマルカンドレ・アムラン、アンジェラ・ヒューイット、スティーヴン・ハフ、スティーヴン・イッサーリス、アリーナ・イブラギモヴァ他。


March 3, 2023

第65回グラミー賞のクラシック音楽部門

●そういえば少し前に第65回グラミー賞が発表されたが、クラシック音楽部門について、今年も軽く振り返っておこう。なんどか当欄でご紹介しているようにグラミー賞の価値観は日本やヨーロッパとはかなり違っており、なかなか刺激的なラインナップなのだ。グラミー賞は全部で80部門以上あり(これでも一時期より減ったのだが)、クラシック音楽関連では10部門ほどある。そのなかから主要部門の受賞アルバムを、Spitifyの公開プレイリストとしてまとめておいたので、よかったら後で聴いてみてほしい。
●まずは、オーケストラ部門 BEST ORCHESTRAL PERFORMANCE。受賞アルバムはマイケル・レッパー指揮ニューヨーク・ユース・シンフォニーによる「フローレンス・プライス、ジェシー・モンゴメリー、ヴァレリー・コールマン作品集」だ!……えっ。たぶん、「は?」と、なる人が多いんじゃないだろうか。演奏者も作曲者もなじみがないが、これは説明を聞けば納得する。フローレンス・プライスはアメリカの黒人女性作曲家のパイオニアなのだとか。で、ジェシー・モンゴメリーとヴァレリー・コールマンは現代のアフリカ系アメリカ人女性作曲家。なるほど今にふさわしい受賞アルバムではある。ただ、日本や欧州のレコード賞とはだいぶ視点が違う。指揮者がどんな解釈で名曲と向き合って、どんなサウンドをオーケストラから引き出すかといったことよりも、そのアルバムが世の中にどんなインパクトを与え、どのような意義を有するかが重視されているようだ。
●続いてオペラ部門はテレンス・ブランチャードのFire Shut Up in My Bones。これは幸いに日本でもMETライブビューイングで上映されているので知っている人は知っていると思うが、その際に日本語題が作られなかったのが惜しい感じ。もっとも一般的なオペラ・ファンからすると「テレンス・ブランチャード、だれ?」って感じだろうか。ヤニック・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン・オペラ・オーケストラ&合唱団の演奏(やっと知ってる名前が出てきた!)。
●室内楽部門 BEST CHAMBER MUSIC/SMALL ENSEMBLE PERFORMANCE は、キャロライン・ショウの「エヴァーグリーン」。演奏はアタッカ四重奏団。以前に同じアタッカ四重奏団によるショウの「オレンジ」もグラミー賞を受賞していた。前作同様、しっとりとした情感のあるリリカルな作品だ。
●器楽部門 BEST CLASSICAL INSTRUMENTAL SOLO は、Time for Threeの「Letters For The Future」。これはレーベルがドイツ・グラモフォンだ。Time for Threeというのはヴァイオリン2+コントラバスのトリオで、3人全員がヴォーカリストでもあるというグループ。今回の受賞アルバムにはケヴィン・プッツとジェニファー・ヒグドンによる協奏曲作品が収められている。
●ここまで作曲家の名前がほぼ現代の人ばかりなのだが(!)、これらとは別にちゃんと現代音楽部門 BEST CONTEMPORARY CLASSICAL COMPOSITION がある。今回の受賞作は上記Time for Threeのアルバムに収められたケヴィン・プッツのContact。
●声楽部門 BEST CLASSICAL SOLO VOCAL ALBUM は、ルネ・フレミングのソプラノとヤニック・ネゼ=セガンのピアノによる Voice Of Nature - The Anthropocene。ふー、やっとクラシック音楽っぽいアルバムが出てきた。だが、安心するのはまだ早い。このアルバムにはフォーレやレイナルド・アーンの曲に並んで、ケヴィン・プッツやニコ・ミューリー、キャロライン・ショウらの作品も収められている。もうコンテンポラリーな作品が入っていないとグラミー賞では賞を獲れないのかと思うほど、現代の作曲家の名前ばかりが出てくる。その一方でこれら現代の作曲家の作品はどれもおおむね聴きやすく、耳当たりがよいのも興味深いところ。ともあれ、今を生きている人に賞を与えるというのはもっともな話ではある。


September 16, 2022

パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のジョン・アダムズ・アルバム

●指揮者界のレコーディング・チャンピオンである父ネーメ・ヤルヴィには及ばないものの、息子パーヴォ・ヤルヴィの録音点数も相当なものだと思う。ドイツ・カンマーフィル、シンシナティ交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、パリ管弦楽団、NHK交響楽団と、シェフを務めたオーケストラでそれぞれに応じた作曲家のアルバムを制作し、現在音楽監督を務めるチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団とはチャイコフスキーに続いて、ジョン・アダムズ・アルバムをリリース。チューリッヒでジョン・アダムズというのは意外な選択だけど、楽しい曲がそろっている。
●で、「スロニムスキーのイアーボックス」「トロンバ・ロンターナ」「ロラパルーザ」は他でも聴く曲だけど、「私の父はチャールズ・アイヴズを知っていた」っていう曲が入ってるんすよね。ワタシは初めて聴いた。全3曲で30分近くある。特に第1楽章「コンコルド」が思いっきりアイヴズ調でかなりおかしい。第2曲「湖」、第3曲「山」と続く。「山」はジョン・アダムズ自身の登山体験に基づいているそうで、21世紀の「アルプス交響曲」と名付けたくなるような神々しい瞬間がやってくる。
●それにしてもジョン・アダムズの父親がアイヴズと面識があったとは。いったいどういうつながりなんだろ……と思ったら、なんと、別に知り合いでもなんでもないって言うんすよ! ただ「私の父はチャールズ・アイヴズを知っていた」という曲名を付けただけ。ジョン・アダムズによれば、自分と父の親子関係と、チャールズ・アイヴズとその父ジョージの親子関係には似たところがあるそうで、もし出会う機会があれば親同士がよい友達になったんじゃないかという。どちらの父親も芸術肌でビジネスセンスに乏しく、夢見がちで、息子を触発することには長けていて、ニューイングランドの小さな街での暮らしを気に入っており、ソローの思想に賛同していたのだとか(Hallelujah Junction: Composing an American Life / John Adams を参照)。でも、だからといってそんな混乱を招くような曲名を付けるかね……。


June 16, 2022

ブリュッヘン指揮新日本フィルのベートーヴェン交響曲全集 CD

●2011年2月にすみだトリフォニーホールで開催されたフランス・ブリュッヘンと新日本フィルの「ベートーヴェン・プロジェクト」のライブ録音が「ベートーヴェン交響曲全集」としてCD化された。当時のプログラムノートに寄せた小さな拙稿が解説書に転載されている。このシリーズは記憶に残るコンサートだった。当時の新日フィルはブリュッヘンやハーディングやメッツマッハーらを呼んで、かなり尖がった活動をしていたっけ……。今とはずいぶん楽団のカラーが異なる。ブリュッヘンとの活動がこうして録音で残ることになったのはありがたいこと。
●ひとまず、気になるところだけをいくつかピックアップして聴いてみたが、なんとも生々しく、懐かしい。「英雄」冒頭、お客さんの拍手がまだ続いているなかで、いきなりブリュッヘンは意表を突いて振り始めたんだけど、その様子もそのまま収録されている。あれは、ゆっくりゆっくり指揮台に向かって歩いてきて、椅子に腰かけるのかなと思わせておいて、座らずにシュッ!って腕を振ったから、拍手と重なったんすよね。絶対に拍手に被せるっていう決意を感じた。そして、始まった「英雄」の巨大なこと。
●荒れ地のような寂しげな「田園」も思い出深い。律義なノンヴィブラート。ブリュッヘンの手のひらの大きさ。2011年2月、大地震の前月のことだった。

June 6, 2022

エンリコ・オノフリ&イマジナリウム・アンサンブルの「自然の中へ ヴィヴァルディ『四季』と母なる大地の様々な音色たち」 CD

●エンリコ・オノフリとイマジナリウム・アンサンブルの新譜「INTO NATURE 自然の中へ ヴィヴァルディ『四季』と母なる大地の様々な音色たち」を聴く。配信ではなくCDで。これはすばらしい。今までさんざんいろいろなスタイルの「四季」を聴いてきたつもりだったけど、まだこの曲をこんなにも新鮮な気持ちで聴けるとは。そして恐るべき完成度。ワクワクした。
●選曲がおもしろくて、ヴィヴァルディの「四季」に至るまでのストーリー性があって、ジャヌカン「鳥の歌」(編曲)、ウッチェリーニ「異種混淆 雄鶏とカッコウによる麗しき奏楽」、パジーノ「様々な野の動物の鳴き声を模倣して」など、鳥や動物たちの描写的な音楽から始まる。たっぷりと豊かな「四季」前史を味わった末に、ヴィヴァルディがやってくる。ここでふんわりと柔らかく「四季」が開始される瞬間が鳥肌もの。なんという暖かさ。オノフリ自身の解説によれば、楽器編成はル・セーヌ版に従っているということで、通奏低音にオルガン(「秋」のみチェンバロ)が用いられている。このオルガンが非常に効果的で、ときに幻想的で、ときに重厚。全体に柔らかさと鋭さがバランスした成熟した「四季」だと感じる。
●あと「春」第2楽章のヴィオラ犬がかつてないほど犬。

February 18, 2022

「ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ベルリン」

●昨年10月に開かれたジョン・ウィリアムズ指揮ベルリン・フィルのライブ録音が、CD他のフィジカルでもリリースされた。すでにベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールでライブ映像は観ているわけだが、こうしてパッケージ用に整えられたレコーディングにはまた別の感動がある。ライブ映像はコンサートの興奮を記録して伝えてくれるものだが、一方、時間をかけて編集された「音源」こそが(CDであれストリーミングであれ)プロダクトとしての最終形であるという気持ちも強いので。「スーパーマン」冒頭を聴いてゾクッとする。全般に「タメ」多め。
●それにしてもフィジカルの世界は細分化されている。同じ「ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ベルリン」と題された商品が、ユニバーサルミュージックの商品ページには5種類も載っているんすよ! いちばん豪華なのがDELUXE EDITIONで、CD2枚にBlu-rayが付いている。CDはMQA-CD&UHQCD仕様で「ハイレゾCD」を謳っていて、そのあたりは深入りしたくないのだが、普通のCDプレーヤーで普通のCDとして再生可能。映像が必要ない人は通常盤を購入すればいい(こちらもMQA-CD&UHQCD仕様)。で、このDELUXE EDITIONと通常盤について、それぞれの輸入盤も掲載されている。これで合計4種類。では残りもう1種類がなにかといえば、輸入盤のBlu-ray Audio+Video。Blu-rayが2枚入っていて、CDは入っていないわけだ。Blu-ray Audioという需要があることに感心。
●なんというか、マニアックだなって感じる。結局、フィジカルもストリーミングもマニアが求めるものであって、一般人はYouTubeで間に合ってるということなのかも。
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●今週末のテレビ朝日「題名のない音楽会」は、クセナキス生誕100年を記念して「クセが強いのにクセナキスの音楽会」。松平敬さんと神田佳子さんの「カッサンドラ」より等、地上波民放では激レアなので観るが吉。関東は土曜午前10時から。

December 8, 2021

Gramophone Classical Music Awards 2021

●遅ればせながら、英グラモフォン誌のGramophone Classical Music Awards 2021のラインナップを眺めてみた。グラミー賞みたいなツンツンした尖がり方はないものの、毎年お国柄が反映されていて興味深い。賞にいろんなスポンサーがついているのもうらやましい感じ。もっとも時節柄、華やかなセレモニーは開けなかったようだけど。
●今年のRecording of the Yearはオペラ部門の受賞アルバムであるブリテンのオペラ「ピーター・グライムズ」(Chandos)。エドワード・ガードナー指揮ベルゲン・フィルの演奏で、題名役はスチュアート・スケルトン。新国立劇場の「ピーター・グライムズ」でも歌っていた人。ベルゲン・フィルの本拠地グリーグホールでの録音で、コンサート後にセッション録音されたそう。
●オーケストラ部門はパーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団によるフランツ・シュミットの交響曲全集(DG)、協奏曲部門はアリーナ・イブラギモヴァとウラディーミル・ユロフスキ指揮ロシア国立交響楽団によるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲集(Hyperion)、ピアノ部門はピョートル・アンデルシェフスキによるバッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻より(Warner)。このあたりは日本の音楽ファンの感覚と近いセレクションか。「らしさ」が出ているのは室内楽部門で、タカーチ四重奏団とギャリック・オールソンの共演によるエイミー・ビーチとエルガーのピアノ五重奏曲(Hyperion)。なお、HyperionレーベルはSpotifyにもApple Musicにも音源を提供していないと思うので、聴くならダウンロードで購入するか、CDを購入する必要がある(違ってたら教えて)。
●少しおもしろいなと思ったのは、Label of the Yearにドイツ・グラモフォンが選ばれたこと。老舗メジャーレーベルの選出に一瞬「は? なにを今さら」と思ってしまったが、彼らのサイト、特にDG Stageでの有料映像配信の取り組みなどを目にすると、従来のビジネスの枠を打ち破ろうとしている様子が伝わってきて、なるほどと思う。古くて新しいのがDGなのか。

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