February 8, 2016

有田正広指揮クラシカル・プレイヤーズ東京のメンデルスゾーン

●6日は東京芸術劇場で有田正広指揮クラシカル・プレイヤーズ東京。メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」(ローマ版第2稿)、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番ト長調(フォルテピアノ:上原彩子)、メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」(1842年稿)。ホグウッドの校訂によるメンデルスゾーンの2曲がともに聴き慣れた最終稿とは違っていて、新鮮な驚きがあった。
メンデルスゾーン●たぶん、どちらも純粋に初めて聴いたわけではないと思うんだけど、でもやっぱりおもしろい。「フィンガルの洞窟」は特に終結部、「スコットランド」は第1楽章の終結部と終楽章の後半あたりが大胆に違っていて、粗削りな印象を受ける。これ、慣れの問題じゃないと思うんすよね。メンデルスゾーンの超名曲を初めて聴いて、ゴツゴツした手触りを感じたことなんて遠い記憶を探ってみてもないもの。天衣無縫、神様の鼻歌を採譜したのがメンデルスゾーン。それくらいに信じていたのに、こうして最終稿に至る前のバージョンを聴くと、苦心惨憺して少しでも作品の完成度を上げようとする汗まみれの職人の姿が思い浮かぶ。
●あと「フィンガルの洞窟」も「スコットランド」もすこぶる描写的な音楽なんだなと改めて実感。

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