March 7, 2016

ツィガーン&読響のスペイン・プロ

●4日は東京芸術劇場でユージン・ツィガーン指揮読響。ビゼー「カルメン」組曲から、ファリャ「三角帽子」第2組曲、ロドリーゴのアランフェス協奏曲(朴葵姫)、ラヴェルのボレロという変則スペイン・プログラム。一歩まちがえると微温的な名曲演奏会になりかねないプログラムだが、思いのほか聴きごたえがあって充足。「カルメン」組曲の冒頭からひきしまったサウンドが引き出されて、最後の「ボレロ」まで緊張感が途切れることがなかった。開放的な楽しさ。
●ツィガーンはアメリカ人の父と日本人の母を持つ34歳の若手。長身痩躯で遠目にも見栄えがする。鋭く明快な棒でオーケストラを統率した。堂々たるもの。プログラムのおかげなのか、朴葵姫効果なのか、この芸劇シリーズの客層なのか、客席は若者多め(自分比)。指揮者もソリストも若いことで、華やかな雰囲気が生まれてくるものだなと実感。ツィガーンはいずれ重めのプログラムでもぜひ聴いてみたい。
●芸劇は反響板を下していた。オルガンを使わないときはこれでよさそう。改装後の芸劇はかなり気に入っている。端的に言って、祝祭性よりも機能性という潔さ。開場前に着いても腰掛ける場所とWi-Fiに困らない快適さとか。
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ニコラウス・アーノンクール逝去。86歳。ピエール・ブーレーズに続いて、また時代を動かした音楽家が世を去った。音楽界にどれだけ大きな影響を与えたか、計り知れない。

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