March 22, 2016

東京ヴェルディvs徳島ヴォルティス@味の素スタジアム

東京ヴェルディvs徳島ヴォルティス 味の素スタジアム
●味スタに足を運んだのは、たぶん9年ぶり。J2の東京ヴェルディvs徳島ヴォルティス。近年はサッカー観戦といえばご近所JFLか出張先ばかりだったが、突発的に思い立って飛田給。駅からスタジアムに向かう道すがら「うわー、ここ、昔はよく来たなあ」と懐かしい気分に。味スタなんていつでも来れると思っていたら、9年も来ていなかったという。いつでも来れる=いつになっても来ない。いつでもできる=いつになってもやらない。人生の真実。
●JFLばかり見てたので、久々にJ2を見たらレベルが高い。技術的な差よりも、フィジカルの差が大きい。いちばん違うのは選手の体つき。JFLは運動神経の発達した常人がやってるイメージだけど、J2はプロ・スポーツ選手という別の人類がやっている感じ。もちろんJ1と比べたら見劣りするんだろうけど、何事も上から見るのと下から見るのではぜんぜん風景が違って見えるもの。
●天候にも恵まれて、味スタは超快適。なにしろ心配なくらいガラガラだ。Jリーグの入場者数は無慈悲な実数カウントなので、3813人と発表された。スタジアムの収容人数の10分の1以下。わざわざ入場口からスタジアムの反対側まで歩いてバックスタンド中央に座ったところ、恐ろしくぜいたくな人口密度の低さのなかで落ち着いて観戦することに。さすがにゴール裏はにぎやかだが(ヴェルディにもちゃんと本物のサポーターが育っている)、この付近は静かで、ブルックナーの交響曲でも聴けそうなくらい(ややウソ)。当ブログの古い記事を参照したら、9年前に来たときもヴェルディはJ2にいて、対札幌戦で1万2000人ほど入っていたと書いてあった。ちなみに3813人はJ2の昨季の平均観客数6800人と比べても大きく下回っている。
●試合はお互いにかなり慎重な戦いぶりで好機が少なかったが、前半に徳島が2度ほど決定機を得た。山崎凌吾のヘディングをヴェルディのキーパー柴崎貴広が好セーブ。ヴェルディはドウグラス・ヴィエイラとピニェイロのブラジル人コンビと10番の高木善朗といった攻撃のタレントを有するものの、ダイナミズムを書いた散発的な攻撃に留まる。しかし前半終了近くでドウグラス・ヴィエイラが負傷退場してベテランの平本一樹が投入されると前線が活性化された。後半32分に平本がペナルティエリア左からクロスをファーに送るとフリーの高木が難なく合わせて先制ゴール。徳島は渡大生と山崎凌吾の2トップを交代して対抗しようとするが、功を奏さずに1対0。ヴェルディはこれで2勝2敗、徳島は1分3敗で金沢と並んで最下位に。
●10年近くも放っておいていうのもなんだが、味スタのヴェルディ戦はかなりおすすめ。配られていたチラシを手にすると、「4年越しの東京クラシック、ここに復活!」と記されている。そう、次節、3月26日はここ味スタで東京ヴェルディvs町田ゼルビアの「東京クラシック」が開催されるのだ! これはすばらしい、すばらしすぎる! J1のあのクラブなど東京には存在しないかのような、この潔さ。そうこなくちゃ。町田ゼルビア、ついにJ3からJ2に帰ってきたんだよなあ。おかえり、そしておめでとう。サッカーの下部リーグが持つ物語性の豊かさをかみしめる。

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