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April 6, 2016

BISレーベル、無音の30秒

●スウェーデンのBISレーベルのCDには、最後のトラックのおしまいに30秒ほどの無音部分がある。全部が全部そうなのかどうかは知らないが、ワタシが聴いた限りではどれもそうなっている。これは最後のトラックを再生し終えた直後にCDプレーヤーの「シャー!」の音が鳴ってしまうと余韻が壊されるから、わざわざ余白を入れるようにしているという話だったと思う(ですよね?)。
●で、音楽配信時代が到来した今、BISの音源はどうなっているか。Apple Musicとかのストリームで再生しても、ダウンロードしてデータを購入しても、やっぱり30秒間の無音が入っている。そりゃまあ、CDと同一データを置いたらそうなるか……。でもCD体験のない若い世代にとっては、この無音の30秒間は謎の空白なんじゃないだろうか。たとえばバッハのロ短調ミサのようにCDで2枚組だったアルバムを聴くと、グロリアのおしまいに思わせぶりな30秒間の静寂が訪れる。
●だれかBISでジョン・ケージのアルバムを出すときは、最後のトラックに「4分33秒」を置いてみてはどうか(←無駄にややこしい)。