June 16, 2016

EURO2016 フランスvsアルバニア

フランス●EUROは各国2試合目へ。初戦で苦労の末に勝利を拾った開催国フランスは、アルバニアと対戦。アルバニアはこれが主要国際大会の初出場。えっ、アルバニアって、どこよ? と思う方もいるかもしれないが、バルカン半島南西部に位置する人口300万人ほどの国なのである(今検索した)。これまではアルバニアといえばモーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」でフェルランドとグリエルモが変装してなりきる怪しい色男たちのことしか思い浮かべなかった全世界のフットボール・ファンも、これからはEURO2016で開催国を追いつめた闘士たちとして記憶に留めることであろう。
●なにしろ予選を突破してEURO本大会に出場しているんだから、アルバニアが弱小国であるはずがない(ちなみにオランダは予選落ちだ)。布陣は4-5-1のようだが、実質的に思い切り割り切った全員守備で、フランスを相手に守りに守る。フランスはポグバとグリーズマンをベンチに温存して(?)コマンとマルシアルを起用したが、ボールは持てるもののゴールどころか、チャンスらしいチャンスが作れない。むしろアルバニアがセットプレイから得点を決める可能性のほうが高いんじゃないかと感じたほど。前半の見どころは唯一、コマンが右サイドのライン際で華麗なマルセイユ・ルーレットで相手を抜いた場面。会場はマルセイユ。まさに本場のルーレット、あたかもジダンへのオマージュのごとく。
●後半フランスは、ポグバ、さらにグリーズマンを投入して攻勢を強める。後半24分、ジルーのヘディングがポストに当たったのは不運。しかしアルバニアの魂の守備も立派なもので、後半になっても運動量が落ちない。このまま走り勝ってスコアレスのまま勝点1をゲットできそう……と思われたが、終了直前、右サイドからのクロスに走り込んだグリーズマンが頭で合わせてゴール。ずっと集中していたアルバニア守備陣だが、最後の最後にマークがずれた。痛恨。さらに長いロスタイムに、前がかりになったアルバニアから、フランスがカウンターアタックで追加点。得点はパイエ。アルバニアは歴史的な勝点にあと一歩のところまで迫っていたのに、スコアだけを見ればだれもが予想した通りの平凡な結果に終わった試合だった。奇跡と凡戦は紙一重。フランス 2-0 アルバニア

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