September 5, 2016

山田和樹「柴田南雄没後20年記念演奏会」記者懇談会

山田和樹「柴田南雄没後20年記念演奏会」記者懇談会
●1日午前は杉並公会堂で日本フィルの仕切りで山田和樹さんの「柴田南雄没後20年記念演奏会」記者懇談会。これは11月7日に開催される「柴田南雄生誕100年・没後20年記念演奏会~山田和樹が次代につなぐ『ゆく河の流れは絶えずして』」のための会見で、壇上には指揮台と椅子が置かれて(このパターン、最近よくある)、山田和樹さんが柴田南雄への熱い想いを語ってくれた。公演の主催は日本フィルではなく、「私財を投げ打ってでも今やらなければならない」という山田和樹さん自らが音頭をとる実行委員会。曲はすべて柴田南雄作品で、「ディアフォニア」、シアターピース「追分節考」、交響曲「ゆく河の流れは絶えずして」。演奏は日本フィル、東京混声合唱団、武蔵野音楽大学。
●「ゆく河の流れは絶えずして」は1975年に名フィルが初演し、89年に都響が再演、それから27年ぶりの演奏ということになる。フルオーケストラと合唱を用いてひとつの作品のなかに古典派から後期ロマン派、12音技法など多様式が一体となっていて、しかも会場全体を使った即興的なシアター・ピースでもあるのだとか。テキストは鴨長明の「方丈記」。
●で、会見からいくつか山田和樹さんの印象的な言葉を拾っておこう。「柴田南雄は音楽界における知の巨人。でも十分に知られていないのではないか。というか、自分もそのひとりだった。初めて柴田作品に触れたとき、『人生損していた』と思った。公演の企画を思いついたのは昨年のことで、ホールもとれるかという状況だったが、サントリーホールをとることができた」「海外に留学すると、『日本の音楽を教えてよ』と言われる。それなのに、できない。海外から見るとこれは奇異な光景に映る。自国の音楽も知らないのに、外国の音楽を学ぶのか、と。実は似たようなことは東京生まれの柴田南雄本人にもあった。そこで西洋の視点から日本の文化をとらえなおして、そこから日本の音楽を生み出した」「『ゆく河』は27年ぶりの演奏となるが、この間に日本のオーケストラの技術力はアップしているので、今だったら新しい形で演奏できるのではないかと思う。若い人に聴いてほしいし、古い印象ではなく新しいという印象を持ってもらいたい。願わくば、オシャレな形に映ってほしい」。

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