October 5, 2016

Jリーグ、ふたたび1シーズン制へ、優勝賞金を4倍以上に

●昨日のJリーグ実行委員会で、来季からJ1が1シーズン制に戻ることで合意が得られたとか。ほっ。現行の2ステージ制のチャンピオンシップについて、スポンサーとの契約は2018年まであったが、先方の理解も得られて暗黒の2ステージ制は2季で終わることになった。あー、これで来年から本物のリーグ戦が戻ってくる。
●なんでそんなことが可能になったかといえば、ひとえに英パフォーム・グループと10年2100億円の放送権契約を結んだから。ドカーンとお金が入って来たので、もうチャンピオンシップのテレビ地上波放映のために変則的なステージ制を続ける理由がなくなった。
●それだけじゃない。報道によれば、J1優勝チームの賞金がこれまで最大4億8000万円だったのが、一気に21億5000万円に。優勝したチーム以外への分配金も増えるようだし、降格チームには2年間にわたって安定基金を支給するとか(これはプレミアリーグでもやってる)、全般に大盤振る舞い。すばらしい。入ったお金をチームの強化費として配分する。アジア・チャンピオンズリーグの規定変更を見越して、外国人枠も広がりそう。
●で、パフォーム・グループに売った放映権のおかげで、急に今までとは別世界が広がったわけだが、とはいえ、サッカー界では特別バブリーな話ではないんすよね。だって最高でも賞金21億5000万円すよ。今季イングランドのレスターがポルトガルのスポルティングCPから獲得したスリマニの移籍金がポンド安の今で約34億6000万円+出来高払いだっていうんだから、優勝賞金全額突っ込んでもアルジェリア代表の中心選手は買えない。ちなみにプレミアリーグの放映権は英国内のみで3年7000億円だとか。単純計算なので厳密性は欠くだろうけど、ざっくり一年あたりプレミアリーグが2300億(国内のみ)、Jリーグは大幅増額しても210億という水準。
●ともあれ、今後Jリーグは全面的にパフォーム・グループの放映権頼みであるので、先日紹介したスポーツ専門有料動画配信DAZNが日本で成功を収めてくれないと困ることになった。大丈夫か、DAZN。そもそもなんて読むのだ、これは。ダズン? ダズーン? えっ、ダゾーンなの? どっちにしても名前の語感からすると、華々しく成功を収めるっていうよりはズルッてコケてる雰囲気満載だが、Jリーグは未来をここに賭けた。放映権を支払うのがテレビ局ではなく、外国のネット配信サービスになったわけで、時代は案外あっさりと変わるものだなあ。

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