November 18, 2016

サントリーホールの「ザルツブルク・イースター音楽祭」記者会見

サントリーホール ザルツブルク・イースター音楽祭 記者会見
●本日から始まる「ザルツブルク・イースター音楽祭 in Japan」を前に、17日にサントリーホール ブルーローズで記者会見。ザルツブルク・イースター音楽祭音楽監督でありシュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者のクリスティアン・ティーレマン、女優のイザベル・カラヤン、シュターツカペレ・ドレスデン事務局長のヤン・ナスト、同団員のソロ・コントラバス奏者アンドレアス・ヴィレツォル、サントリーホール総支配人市本徹雄の各氏が登壇(以上、写真右から)。
●サントリーホールの開館30周年記念事業の一環として開かれる今回の音楽祭、同ホールが開館にあたってヴィンヤード形式の採用などヘルベルト・フォン・カラヤンのアドバイスを多く取り入れていること、またザルツブルク・ イースター音楽祭が1967年にカラヤンが私財を投じて創設した音楽祭であるということで、まずはカラヤンを通じた両者の縁が市本総支配人より紹介された。
●ティーレマン「サントリーホールは演奏の喜びを感じることができるホール。すばらしい音響と、音楽への理解の深い聴衆の前で演奏できることに感謝している。今回のような演奏会形式による『ラインの黄金』は私にとってもチャレンジ。オーケストラがピットに入らないので、歌手との間で最良のバランスを探らなければならない。劇場で聴くのとは違った響き方になる。録音で聴くときに近いような明快なサウンドになるだろう」
●来年はザルツブルクのイースター音楽祭が50周年を迎え、ワーグナーの「ワルキューレ」が上演される。ティーレマン「50周年にあたり、始まった当時の舞台を再現してはどうかというアイディアが生まれた。昨今のレジーテアター隆盛の前の舞台美学を振り返ろうということで、1967年のギュンター・シュナイダー=ジームセンの舞台を復元する」
●ヘルベルト・フォン・カラヤンの娘であるイザベル・カラヤンは、今回、一人芝居「ショスタコーヴィチを見舞う死の乙女」を演じる。イザベル・カラヤン「もし自分が作曲できるなら、ショスタコーヴィチのように作曲したい。父カラヤンは何度もそう語っていた。音楽とテキストを組み合わせることで、観客のみなさまを旅へと誘いたい。父は日本が大好きでいつも日本へ行くことを楽しみにしていた。サントリーホールのどこかに父がいて舞台を見てくれているのだと思って演じたい」
サントリーホール ザルツブルク・イースター音楽祭 記者会見 演奏
●会見には同時通訳が入り、各席にイヤホンが置かれる方式。これだと時間が短縮できる一方、手書きメモ派にはかなり慌ただしい感じ。でも会見の合間に演奏を聴くことができたのは吉。シュターツカペレ・ドレスデン首席奏者たちによる、シューベルトの八重奏曲から第1楽章。室内楽ながらもまさにミニ・シュターツカペレ・ドレスデンといった滋味豊かなサウンド。

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