ドミノ・ピザ
November 21, 2016

ファジル・サイのモーツァルト

●17日は紀尾井ホールでファジル・サイのピアノ・リサイタル。なんと、オール・モーツァルト・プロ。ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330、ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」、ソナタ第12番ヘ長調K.332、ソナタ第13番変ロ長調K.333、幻想曲ハ短調K.475という傑作ぞろいの選曲。ソナタではこのあたりがモーツァルトの絶頂期って気がする。「トルコ行進曲付」を除いた第10番、第12番、第13番がそのまま自分にとっては三大名曲かも。しかしなぜオール・モーツァルトかと思ったら、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集がリリースされたばかりなのであった。
●サイのモーツァルトになにかキャッチを付けるならセクシー・モーツァルト。あるいはもう少し今っぽくいえば、センシュアルなモーツァルトか。これらの作品にはほとんど数小節ごとに作曲家の天才性があらわになったような、ぐっと来る瞬間がやってくるわけだけど、そのたびにサイは思い切りよくテンポを動かしたり、強弱をつけたりして、奔放に歌う。表現する欲望が剥き出しになっているという意味では自由。一方で即興性は皆無に近い。筆圧強め。
●グールドの亡霊を目にすることになった。片手が空くとその手で自分自身を?指揮する。唸り声も聞こえてくる。シュタットフェルトのときも別の形で見たっけ……。もはや亡霊じゃなくて様式なのかも。
●トルコ人のサイにとって「トルコ行進曲」は逃れられない曲なんだろう、彼の最初期の録音にモーツァルト・アルバムがあって、やっぱりこの曲が入っていた。その頃からずいぶんサイの印象は変貌してるけど。で、アンコールはサイ編曲のジャズ・バージョン「トルコ行進曲」。これはさすがに切れ味鋭く鮮やか。会場は沸いた。

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