ドミノ・ピザ
January 30, 2017

下野竜也指揮N響のマルティヌー、フサ、ブラームス

●28日は下野竜也指揮N響へ(NHKホール)。前半がマルティヌーの「リディツェへの追悼」、フサの「プラハ1968年のための音楽」(管弦楽版)と珍しい曲、後半はクリストフ・バラーティの独奏でブラームスのヴァイオリン協奏曲。協奏曲で終わるコンサート。
●なにしろ前半がめったに聴く機会のない曲なのでインパクト大。どちらも重い。マルティヌーはナチスによる住民虐殺によって地図から消えた村リディツェへの追悼曲。同じ作曲家の交響曲などで聴ける愉快さや軽妙さ、気まぐれさとはまったく別種の、悲痛な音楽。歴史的背景の重さを考えると、むしろ静かで澄んだ曲というべきか。終盤、ベートーヴェン「運命」の動機が引用されるということなのだが、いまひとつ意図を汲めた気がしない。
●同じくチェコの作曲家カレル・フサは昨年の暮れに95歳で世を去った作曲家。たまたま先人が書いた追悼曲に続いて作品が演奏されることになってしまった。吹奏楽の分野でよく知られる作曲家で、「プラハ1968年のための音楽」ももともとは吹奏楽の作品として書かれ、後からオーケストラ版も用意されたのだとか。ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻が題材となっている。第1楽章の「序奏とファンファーレ」は、予感に満ちたピッコロのソロが印象的。ファンファーレといいつつ、これは早鐘、あるいは機銃掃射か。第3楽章は打楽器のみの楽章(ということは吹奏楽版も同じなのだろうか)。終楽章は鬱屈したコラールで閉じられ、救いがない。後半でブラームスが始まったときの別世界感がすさまじい。

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