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March 29, 2017

ニッポン代表対タイ代表@ワールドカップ2018最終予選

ニッポン!●アウェイでのUAE戦に続いて、今度はホームに移動してのタイ戦。ホームとはいっても、多くの代表選手は欧州でプレイしているわけで、欧州→中東→日本と移動して、これが終わったら欧州に帰る大移動。ホームだろうがアウェイだろうが、東アジアの欧州組は常に長距離移動を強いられる。
●ニッポンは前の試合で大迫と今野が負傷。大迫の代わりが岡崎というのはだれもが予想する通りだが、今野の代わりにサイドバックの酒井高徳を起用したのがサプライズ。所属チームではここでプレイしているそうだが、代表では初めてでは。GK:川島-DF:酒井宏樹、吉田、森重、長友-MF:山口、酒井高徳-香川(→清武)-FW:久保裕也(→宇佐美)、原口(→本田)-岡崎。
●前半8分に先制点。センターバックの森重から右サイドに開いた久保にロングパス。久保がディフェンスを交わしてクロスを入れ、中央で受けた香川がシュートフェイントをはさみながら鋭いシュートでゴール。こういった効率的な攻撃はハリルホジッチ監督の好むところでは。前半19分にはまたしても久保のクロスからニアで岡崎が頭で合わせて追加点。久保はオールラウンドにすぐれたプレーヤーだが、クロスの質の高さも光っている。つい少し前までいちばん調子に乗っていた逆サイドの原口がかすむほどの活躍ぶり。さらに後半12分、久保は右サイドのスローインを受けて、中央に切れ込みながら豪快に蹴り込んで3点目をゲット。前の試合に続く圧巻の久保祭り。後半38分にはコーナーキックから吉田のヘディングが決まって4対0。結果を見れば完勝なのだが……。
●しかし奇妙なことに、これだけ大差がついたのに、シュートの本数ではタイが上回っていた。かなり攻められてもいたわけで、これは珍しい現象。川島がファインセーブを連発、PKまで止めてしまったので無失点で済んだが、タイの決定力不足に助けられた。主にニッポンの不用意なミスから攻め込まれ、ディフェンスの組織も乱れがちだった感あり。交代選手も流れを変えられず、なんだか締まりのないゲームになってしまった。
●タイは一昔前とは様変わり。なにが違うかといえば、選手の体格がぜんぜん違う。ずいぶん大型化して、ニッポンに対しても遜色がない。もともと伝統的にテクニックにすぐれた選手が多かったところに、パワーやスピードも増して、見違えるほど強くなった。なるほど、ホームでオーストラリア相手に引き分けただけのことはある。まだまだ伸びしろがありそうなので、遠からずアジアの勢力地図を塗り替えることになるかも。
●さて、ライバルたちだがオーストラリアはホームでUAEを下した。UAEはこれで連敗。そしてサウジアラビアはホームでイラクに1対0で勝利。結果的に上位国がそろって勝点3をゲットしたことに。1位ニッポン勝点16、2位サウジアラビア勝点16、3位オーストラリア勝点13。ニッポンは得失点差でわずかに1だけサウジをリード。前にも書いたように、ニッポンは最後の3試合がきつい。次はアウェイのイラク戦だが、6月の中旬に開催されるということで、欧州がすっかりシーズンオフに入っているのが難点。コンディション面ではJリーグ勢が断然有利なので、国内組の活躍を期待したいところ。