April 4, 2017

定額制音楽配信のシェア1位はAmazonのPrime Music!?

●インプレス総合研究所による定額制音楽配信サービスの利用実態の調査結果が発表されていて、興味深く読んだ。「Spotify参入で定額制サービスに混戦の兆し、利用率は増加」(ケータイ Watch)。調査対象はスマホユーザー約2万2千人となかなか大規模。いま定額制音楽配信サービスってこれくらい使われているんだ―という実感を得られる。
●まずは利用率。「現在利用している」が11.9%で、「過去に使用したことがある」は18.3%。11.9%という数字は低いのか、案外高いのか。9人にひとり。最初は「なんだ、低いなあ」と思ったが、よくよく考えてみると毎月お金を払って契約している人の数なんだから健闘してるのかも。むしろ現在使っている人より、過去に使っていた人のほうが多いというのはどうなんでしょ。つまり、一時は定額制音楽配信サービスと契約してみたものの、やっぱりYouTubeとかで無料で聴けるから要らないや……と思った人がたくさんいるということだろうか? サービスごとのシェアでもAmazonのPrime Musicが1位になっているというのは、要はこれがプライム会員向けサービスの一部になっていて「オマケで付いてくるもの」だからなんだろう。定額制音楽サービス利用者の中で、Prime Musicをメインで利用している人は40.6%もいる。そう考えると、先の「現在利用している」11.9%が少し頼りなく見えてくる。
●少し不思議だと思ったのは、性別ごとの利用傾向。男性は10代だろうが60代だろうが、利用率は驚くほど変わらない。どの年代でも14%前後が定額制音楽配信を使っている。IT系のサービスで、こんなに若者でも年配者でも利用率が変わらないものはなかなかないのでは? 一方、女性は世代別の傾向が明らかで、若い世代ほど使い、年配層ほど使わない。60代ではわずか4.8%。ただ、もっとも使う10代でも12.3%であって、実はこれは男性の60代よりも低い。若い女性より60代男性のほうが定額制音楽配信を使っているのだ。
●性別による違いは利用するサービスでも顕著で、女性はPrime Musicの次にLINE MUSICの人気が高いのだが、男性にはLINE MUSICの人気はもうひとつ。男性でのPrime Musicに続く二番手は、若い世代がSpotify、40代以上はApple Music。後発のSpotifyがかなりがんばっている。一方、Google Play Musicは苦戦しているようだ。これはわかるような気がする。dヒッツやAWAなど国産サービスの名前も入っているには入っている。
●不満点の1位は「好きなアーティストの曲が配信されていない」が43.5%、2位が「楽曲数が少ない」で27.8%。一瞬、「ん?」と思うが、最多ユーザーがAmazonのPrime Musicであることを思い出せば納得がいく。主要サービスが3000~4000万曲以上を配信するのに対し、Prime Musicは100万曲以上と桁違いに少ない(ヒット曲もほかのサービスより少ない)。Prime Musicに対する不満がそのまま全体の調査結果に反映されてしまったのでは。不満の3位が「毎回パケット通信量がかかる」という、あまり意味のないものなので、むしろこの結果はユーザーの不満の少なさを反映しているとワタシは解釈した。
●ワタシが抱いている不満は「個々の音源に対するメタデータの不備」が筆頭なんだけど、そんなことを言ってる人は見当たらない。あ、「その他」に該当するのか。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「東京・春・音楽祭 2017 シューベルトの室内楽 I」です。

次の記事は「東京・春・音楽祭「ニーベルングの指環」~「神々の黄昏」」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ