April 13, 2017

東京・春・音楽祭 トリオ・アコードのハイドン、ラヴェル、シューベルト

●11日の夜は上野学園石橋メモリアルホールへ。東京・春・音楽祭 トリオ・アコード公演を聴く。白井圭(ヴァイオリン)、門脇大樹(チェロ)、津田裕也(ピアノ)の東京芸大同級生の3人が2003年に結成したというトリオ・アコード。3人の欧州留学に伴って一時期活動が中断していたが、近年に活動を再開し、東京・春・音楽祭には初登場。ハイドンのピアノ三重奏曲「ジプシー・ロンド」、ラヴェルのピアノ三重奏曲、シューベルトのピアノ三重奏曲第1番という、時代の異なる3曲のトリオが並んだ。本当に息の合った3人という感じで、リーダーシップを白井さんがとって、門脇さんがこれに呼応して、津田さんが冷静にバランスをとるといったイメージ。ラヴェルの濃密さ、シューベルトののびやかで豊かな歌心を堪能。
●ラヴェルは本当に強烈な作品で、いろんな要素からなるラヴェルらしさが全部つめこまれた集大成的な作品という感じがする……といっても晩年の作品ではないのだが。第1次世界大戦が始まって、「5か月分の仕事を5週間で仕上げた」という集中力ゆえなのか、創作力が大爆発して誕生した、一生に何度も書けないような傑作。シューベルトのピアノ三重奏曲は、先日、同音楽祭で第2番を聴いたばかり。第1番も同じように傑作だけど、第2番ほどは「気恥ずかしくない」。あるいは崖っぷち感が薄いというか。第4楽章は「ザ・グレイト」と同じく、シューマンいうところの天国的な音楽で、終わることなく続く喜び。

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