May 9, 2017

LFJ2017を振り返る、おかわり

LJF2017を振り返る
●LFJ2017、公演以外についても振り返っておこう。次回のテーマだが、例年なら最終日の午後にルネ・マルタンさん他が登壇して記者懇談会が開かれるはずだったのだが、なぜか今回は予定なし。いつもはその席で次回テーマが発表されていたので、どうしたことだろうかと気になっていたところ、最終日になって急遽「15時にルネが来年のテーマについて話す」と声がかかった。本当に急だったので、ほんの数名だけで小ぢんまりと一つのテーブルを囲むことに。
●で、数年前から宣言されている通り、次回のテーマは「エグザイル」(亡命)。政治的な理由だったり個人的な事情だったりで作曲家が祖国を離れて、新天地で書いた曲を集めるという趣向。ただし、この「エグザイル」という言葉は後ろ向きすぎるので、フランスでも日本でも「新世界」「新しい世界」といった別の言い方にしたいという。プレスからは、日本では「新世界」だと即ドヴォルザークに直結するからどうなんだろうという意見が出て、マルタンさんも「フランスでも新世界=アメリカのことになってしまうので、新しい世界などと微妙に表現を変えたい、日本語でも同様のことができるのでは?」。ということで、「新しい世界」「新たな世界へ」「新天地」あたりが候補か。マルタンさん「これは4年前に選んだテーマなんだけど、移民は今日的なテーマになっている」。
●具体的に挙がった名前は、ラフマニノフやプロコフィエフ、グラズノフ、メトネル、ストラヴィンスキー、シェーンベルク、コルンゴルト、アイスラー、グラナドス、ファリャ、アルベニス、リゲティ、ペルト、ショパン、ドヴォルザーク、マーラー、そして各地の宮廷を渡り歩いたバロック期の数多くの作曲家たち等々。いずれも新天地で書いた作品が題材になるということなので、たとえばラフマニノフだったらロシア時代の名曲ではなく、アメリカ時代の作品が対象になる模様。また、テレジン収容所で初演されたハンス・クラーサ作曲の児童オペラ「ブルンジバル」への意欲も。毎年発見の多い「非クラシック」枠としてはユダヤ系のクレズマー・ミュージックが挙げられた。
●少人数だったのであちこちに話は広がったんだけど、実のある話はこんなところか。あと、もっと先の話を尋ねたら、2020年はオリンピックに関連するテーマ、2019年はそれを導くようなテーマになるだろうという答えが返ってきた。

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