June 21, 2017

山下達郎「拍手のタイミングがおかしい」事件について

拍手●少し前にSNSですごい勢いで拡散していたのが、この話題。大宮ソニックシティでのライブで、山下達郎がひとりのお客さんに対して「あなただけさっきから拍手のタイミングがおかしい。2500人の観客のうち、ひとりのために2499人が迷惑する。ライブは生き物。ひとりのために壊したくない」といったようなメッセージを述べて、「潮騒」をもう一度演奏したのだという。
●最初はずいぶん手厳しいなと思ったのだが、いろいろ読むと、なるほどそのお客さんの態度は常軌を逸したもので、その後のライブが台無しになってしまうのを防ぐために、山下達郎が熟慮のうえで注意をしたということのよう。なぜその客が異常な拍手をし続けたのかについては思うところもあってなんともいえないのだが、大半のお客さんが山下達郎に感謝したであろうことはわかる。
●それにしても、「拍手のタイミングがおかしい」と来たら。このフレーズから甘美な妄想が止まらなくなる。今まさにブルックナーの交響曲第8番で神のような名演がくりひろげられている。コンサートホールは大聖堂になり、聴衆は敬虔な信徒になる。見える、見えるぞ、オレには神の姿が! 「ミレド!」。その最後の一音が鳴り終わらないうちに盛大な拍手とフライング・ブラボーを放つひとりの客がいた。オーマイガッ! だがマエストロは客席を振り向いて、言い放った。「あなただけ拍手のタイミングがおかしい。どうかライブを壊さないでほしい。だから、もう一回、最初から演奏します!」。ウォオオオーーー!

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