June 26, 2017

パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響、河村尚子のサン=サーンス

●24日はNHKホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響。フランス音楽プロで、デュティユーのメタボール、サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番ト短調(河村尚子)、ラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」と「ダフニスとクロエ」組曲第2番。このコンビのフランス音楽プロを聴くのは初めてか。バラエティに富んだ選曲が吉。白眉はサン=サーンス。サン=サーンスのピアノ協奏曲はどれも好きなのだが、この第2番は気まぐれ度の高さが魅力。いきなり独奏ピアノのカデンツァで始まるという幻想曲風の第1楽章、洒脱なスケルツォ風の第2楽章、スリリングなタランテラ風の第3楽章と、とりとめがないというか、作曲者のなんでも書けます感が全開。かなりピアノに名技性を発揮させる曲だと思うんだけど、そこに焦点が当たってほしくない感じ。この日は気迫のこもったソロが作品の奥行きを感じさせてくれた。力強い打鍵、終楽章の煽るようなスピード感も痛快。ソリストのアンコールがプーランクの「バッハの名による即興ワルツ」で、意表を突かれる。かなり可笑しい、曲が。
●後半のラヴェルは、パーヴォならではの輪郭のくっきりした引きしまったサウンドが印象的。「ダフニスとクロエ」組曲第2番では終曲「全員の踊り」が壮麗。クライマックスに向けて疾風のように駆け抜けるラヴェル。
●自分メモ。メタボールはデュティユー、メタポールはアルミ材。

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