August 10, 2017

山賊ダイアリーSS(岡本健太郎著/イブニングコミックス)

●漫画を読む習慣はなかったのだが、Kindleで手軽に読めるようになってから、いくつか楽しみな作品ができてしまった。岡本健太郎著の「山賊ダイアリー」もそのひとつ。猟師のライセンスを持つ著者が山で銃や罠を用いてイノシシやシカや鳥を狩り、それをさばいて食べる。それだけの話が無性におもしろかった。そして、新シリーズ「山賊ダイアリーSS」では新たな展開が。クルマを手に入れた著者は、銃を預けて、モリを携えて海へと向かったんである。「魚突き」(スピアフィッシング)なるものの存在すらワタシは知らなかったんだが、これがまたワイルド。絶対にまねできない。車中泊で気ままな一人旅をしながら、各地の海に潜り、魚をモリで突く。そして食べる。この食べるシーンが実にうまそう。イシダイを刺身にして、サヨリを塩焼きにするキャンプ飯。じゅるり(←よだれの音)。
●で、これは前シリーズにもいえるんだけど、やっぱり危険なんすよね、狩猟も漁も。正しくやれば大丈夫なんだろうだけど、一歩まちがうと怖いことになりかねない。海に潜れば息が続かないかもしれないし、危険生物もいる。そこのところはあんまりクローズアップされていないけど、抑えたタッチの話のなかにひそむスリルがおもしろさにつながっている。人が自然を美しいと思い、憧れを感じるのは、それが本質的に凶暴で危険なものだから、という思いを新たにする。

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