September 25, 2017

パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団のロシア音楽プロ

●22日はNHKホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響。グリンカの「幻想的ワルツ」、デニス・コジュヒンの独奏でラフマニノフのピアノ協奏曲第4番(1941年版)、スクリャービンの交響曲第2番。オール・ロシア音楽プロだが、それぞれ有名曲から一歩ずらした曲をそろえて新鮮。グリンカの「幻想的ワルツ」はパーヴォにとって「子供の頃から大好きだった」という一曲。チャイコフスキーらのロシアのワルツの源流に位置するような作品で、優美でありメランコリックでもあり。ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番は、生ではたぶん以前一度聴いたきりかも。N響にとってもこれが初演だったとか。第2番や第3番とは作風が違っていて、考えあぐねながら書いたような労作感あり。手触りとしては旧作の協奏曲よりも交響的舞曲のほうが近い。輝かしく、カッコいい。コジュヒンは気迫のソロ。アンコールにスクリャービンの練習曲op2-1。後半のプログラムの橋渡しをするような曲を選んでくれてうれしい。
●で、スクリャービンの交響曲第2番。後期ロマン派風の濃厚な官能性を基調に、ロシア的な土臭さや自然賛歌、熱っぽいヒロイズムなどさまざまな要素が長大な交響曲のなかに盛り込まれている。ベートーヴェンの「運命」的なドラマもあれば、中間楽章でフルートが鳥の歌をさえずるような「田園」風味もあり。この曲も以前に一回だけ聴いた記憶があるんだけど、パーヴォ&N響は情念の爆発よりは切れ味の鋭さが魅力。この曲、もっと演奏されておかしくない。この後、作曲家は神秘主義路線に進むことになるわけだが、この第2番の時点では20世紀を代表するポスト・マーラー的な交響曲作家になる可能性もあったのだろうか。といっても、この第2番は1901年作曲だからまだまだマーラーは健在で、交響曲第5番を書いている頃。そう考えても、先駆的なんだかそうじゃないんだかよくわからないが……。100年前のゼロ年代で見れば、「法悦の詩」が1905~08年作曲で、マーラー「千人の交響曲」が1906~07年作曲、シェーンベルクの「グレの歌」が1900~11年。似たような方向を向いて走っていた線路が、それぞれ分かれてぜんぜん別の駅に向かっていく様子を思い浮かべる。

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