October 5, 2017

ルツェルン祝祭管弦楽団来日公演記者会見@アーク・ノヴァ

シャイー ルツェルン祝祭管弦楽団来日公演記者会見
●4日はルツェルン祝祭管弦楽団来日公演記者会見へ。場所は東京ミッドタウン芝生広場に設置されたアーク・ノヴァ。アーク・ノヴァとは東日本大震災の復興支援のためにルツェルン・フェスティバルが考案した移動式コンサートホールで、中から空気でふくらませて設置する方式。入退場には回転ドアを一人ずつ通らなければらならず、エアロックを通過する気分。座席はベンチシート。オーケストラの公演に先立って、このアーク・ノヴァでも小さな編成のコンサートがいくつか行われている。ルツェルン祝祭管弦楽団は6日のサントリーホール公演を皮切りに、通常のコンサートホールで公演を行なう。
●会見には同楽団の音楽監督リッカルド・シャイー(中央右)、ルツェルン・フェスティバル総裁のミヒャエル・ヘフリガー(左)、ツアーおよび音楽祭のスポンサーであるアデコ株式会社代表取締役社長の川崎健一郎氏(右)らが登壇。
●シャイー「トスカニーニによって設立され、アバドによって生まれ変わったオーケストラを、こんどは私が将来に向けて引き継ぐ大切な役割を任された。このオーケストラには最高の音楽家たちが集まっており、彼らのサウンドをできるだけたくさん聴いてもらうために、ソリストはめったに招かない。今回の来日公演ではふたつのプログラムを用意した。ベートーヴェンの交響曲第8番はとても難しい作品。なぜならベートーヴェンのメトロノーム指定は非常に速く、わたしたちはこれに果敢にチャレンジしようと思っている。ベートーヴェン自身が感じていた鼓動が伝わるだろう。これにストラヴィンスキーの『春の祭典』を組み合わせた。精鋭ぞろいのこのオーケストラで聴けば多くの発見があるだろう。もうひとつのプログラムはリヒャルト・シュトラウス。3つの交響詩のどれもが美しく、そしてきわめて難しい作品ばかり。『ツァラトゥストラはかく語りき』『死と変容』に続いて、最後に『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』を演奏するのは、演奏会を悲劇的な雰囲気で終えたくなかったから。この曲はシュトラウスの自画像的な性格を持っている」
●さらにルツェルン祝祭管弦楽団について、こんなことも。シャイー「伝統あるオーケストラでは、伝統の影を無視することは難しい。それが私の仕事の大変なところのひとつ。でもこのオーケストラにはそれがない。とてもオープンで、どのような解釈であっても、まずはやってみようという姿勢を持っている。それでいて、彼ら独自のサウンドがある。これはアバドが成し遂げた奇跡というべきだろう」
●シャイーの言葉は非常に明快で、常に理路整然としていたのが印象的だった。

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