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November 13, 2017

トリトン晴れた海のオーケストラ 第3回演奏会

●11日は第一生命ホールで「トリトン晴れた海のオーケストラ」第3回演奏会。矢部達哉コンサートマスターのもと、首都圏オーケストラの名手たちを中心とした指揮者を置かない室内オーケストラ。プログラムはオール・モーツァルトで、前半に「フィガロの結婚」序曲、オーボエ協奏曲(独奏:広田智之)、後半にセレナータ・ノットゥルナ ニ長調 K239、交響曲第39番。小気味よく精彩に富んだモーツァルトを満喫。このプログラムだと、前半に主役を務めたオーボエが後半ではお役御免になるんすね。代わって後半はティンパニ(岡田全弘)が大活躍。あれはバロック・ティンパニって呼んでいいんだろうか。セレナータ・ノットゥルナではセンターに配置されて両側のアンサンブルを司る。交響曲第39番でも第1楽章冒頭すぐにティンパニが鋭く楔のように打ち込まれて、一気に全体がひきしまった感。第3楽章のひなびたトリオでクラリネットが装飾を入れるのも吉。第4楽章で次第に音楽が白熱して、幸福感と高揚感で満たされてゆく様はまさにモーツァルトを聴く醍醐味。アンコールにディヴェルティメントK334の有名なメヌエット。
●いろんな表現の可能性がありうるモーツァルトで、指揮者を置かない。となると、みんなの共通認識にあるぼんやりとした平均値のモーツァルト、肉でも魚でもないモーツァルトになったらどうしようという心配があるわけだけど、このオーケストラではそれは杞憂。はっきりとした顔のあるモーツァルトになっている。じゃあ、それがだれのモーツァルトなのかっていうと、ひとまずはコンサートマスターのモーツァルトなのかなとは思うんだけど、それだけでもないはず。いろんなプレーヤーたちのアイディアなりスタイルなりが刺激しあって、ひとつの答えに到達するものなんだろう。でも、それって指揮者がいても同じことが言えるような気もする。指揮者がすべてを制御することは不可能だし、指揮者がいてもプレーヤー間で触発されて生まれる表現だっていくらでもあるだろう。場合によっては指揮者がいるのにオーケストラ側がハンドルを握ってしまうようなことだってなくもない。となると指揮者がいる/いないというのは視覚的には明確な違いだけど、音楽的にはいる/いないの境目は曖昧なものなのかも。
●トリトン晴れた海のオーケストラ、今後は2018年から2020年にかけて全5回でベートーヴェンの交響曲チクルスを開催するそう。第一生命ホールで「第九」ってスゴくないすか。

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