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December 5, 2017

2017年のJリーグを振り返って

サッカー場J1の優勝争いが最終節までもつれ込むのはいったい何度目だろう。先週末、1位鹿島(勝点71)、2位川崎(勝点69)の状況で迎えた最終節は、感動的なフロンターレ川崎の逆転優勝で決着した。鹿島といえば「勝者のメンタリティ」、一方川崎といえば「シルバーコレクター」。ところが鹿島は磐田相手にドロー。今季J1に復帰した磐田だが6位フィニッシュは立派。往年のライバル相手に意地を見せた。リーグ最少失点のチームを作り上げた名波監督はいずれ名監督になるかもしれない。一方、川崎は大宮に大勝。結果として勝点で並んだが、得失点差で川崎が大きくリードしているため、悲願の初優勝、初タイトル。そもそもこれだけ「強いクラブ」というイメージの定着している川崎が、初タイトルというのが驚き。中村憲剛の男泣きもわかろうというもの。これほどの名選手が現役を無タイトルで終えかねないところだったわけで、サッカー選手の喜びというものについて考えさせられる。名声とタイトルの価値はどのあたりで釣り合うものなのか、と。
●得失点差で頭一つ抜け出ている川崎が優勝したのは順当といえばまったく順当。もともと川崎といえば点はよく取るけど、よく取られるイメージが強かったのに、今季は守備も堅く、失点の少なさでリーグ3位。得点は1位のまま、失点を減らしているんだから、今季から就任した鬼木達監督の手腕あってこそなんだろう。まだ現役選手みたいな雰囲気だが、この人も名監督候補。
●わがマリノスは、ACL圏内の可能性もあったが、終盤に失速して結局は5位に。自慢のディフェンスも終わってみればそれほど堅かったともいえない。モンバエルツ監督の退任にうっすらと希望を抱くが、監督というよりはチーム編成の問題か。
●降格は甲府、新潟、大宮。甲府は勝点差1に泣いた。J2からは1位湘南、2位長崎が自動昇格、3つ目の枠を巡る3位から6位までの謎プレーオフは、名古屋、福岡、ヴェルディ、千葉で争われ、順当に3位名古屋が勝ち抜けた。順当というか、順当であることが珍しいプレイオフではある。名古屋は1シーズンでJ1に返り咲いてめでたいところだが、J2でワンシーズン戦って湘南や長崎より下になったという結果はそれなりに重い。
●V・ファーレン長崎は高木琢也監督で5シーズン目という継続性に加えて、今季から「ジャパネットたかた」創業者の高田明社長を迎えたのが大きそう。昇格を決めた試合後スピーチが滑らかすぎて笑ってしまう。そのまま有力選手の大特価セールを始めるのではないかとドキドキしたが、そんなことはなかった。スピーチの最後にアウェイサポへの御礼を欠かさないあたりはさすが経営者。来季のJ1は長崎対広島の平和祈念ダービー(?)が実現する。

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