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January 15, 2018

広上淳一指揮N響&五嶋龍のバーンスタイン生誕100年プロ

●12日、NHKホールで広上淳一指揮NHK交響楽団へ。ソリストの五嶋龍がN響と初共演。「バーンスタイン生誕100年」と銘打たれた公演で、プログラムはバーンスタインの「スラヴァ!(政治的序曲)」、バーンスタインのセレナード(プラトンの「饗宴」による)、ショスタコーヴィチの交響曲第5番という「政治的な」プログラム。冒頭「スラヴァ!」の曲名はバーンスタインの盟友ロストロポーヴィチの愛称であると同時に、ムソルグスキーのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」で戴冠する皇帝ボリスへの民衆の喝采の言葉。そしておしまいのショスタコーヴィチの交響曲第5番では輝かしい体制賛美が装われるという、ねじれた円環のようになっている。パロディ的な行進で始まって、パロディ的な行進で終わる。
●と言っても、純粋に聴いて楽しいプログラム。「スラヴァ!」で演説の録音が紛れ込むのもレトロ調で可笑しい。白眉はバーンスタインのセレナード。五嶋龍が明快で歯切れのよいソロを披露。バーンスタインのセレナードといえば、かつてお姉さんの五嶋みどりが作曲者と共演した際の「タングルウッドの奇跡」がよく知られている。もっとも、ニューヨークに生まれ住むヴァイオリニストがバーンスタインの曲を弾くことになんの不思議もない。龍さんは「題名のない音楽会」で司会を務めていた間は番組企画に応じてクラシックからアニソンまでずいぶんといろんな曲を弾いてくれたわけだが、納得の曲目で満を持してのN響定期デビュー。ベテランの多い聴衆も大喝采でソリストを讃えていた。

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