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January 31, 2018

クルレンツィスのブルックナー&リゲティ


●テオドール・クルレンツィス指揮SWR交響楽団の1月24日の公演がarte.tvで公開されている(~7月19日まで)。曲はブルックナーの交響曲第9番とリゲティの「ロンターノ」。なんと、この2曲をつなげて演奏するという奇抜な趣向。まさかブルックナーの後にリゲティが来るとは。もしブルックナーが静かに終わったところで拍手やブラボーが出てしまったら決まりの悪い事態になってしまっただろうが、クルレンツィスはスムーズな腕の動きからほとんど間を置かずにリゲティにつなげた。クルレンツィスのカリスマぶりもあって効果絶大。
●第4楽章が完成されなかったおかげで、ブルックナーの交響曲第9番にはいろんな可能性が開けている。作曲者本人が口走ってしまったからと「テ・デウム」をくっつけるくらいだったら、他人の作品をつなげてしまったほうがおもしろい。そういえば、東京交響楽団の新シーズンラインナップ記者会見で、ジョナサン・ノットがブルックナーの交響曲第9番とマーラーの交響曲第10番の第1楽章アダージョを組み合わせる「ダブル未完成プロ」について、ブルックナーを先に演奏して、休憩なしでマーラーを続けるかもしれないというアイディアを披露していたっけ。
●ブルックナーの第9番にはラトル指揮ベルリン・フィルがレコーディングしたSPCM補筆完成版もある。あの再構築バージョンもとても魅力的だと思うのだが、いずれ実演で聴けるだろうか。