ドミノ・ピザ
February 23, 2018

パーヴォ・ヤルヴィとN響の武満&ワーグナー

●22日はサントリーホールでパーヴォ・ヤルヴィ&N響。プログラムは前半に武満徹のヴァイオリンとオーケストラのための2作品、「ノスタルジア ― アンドレイ・タルコフスキーの追憶に」と「遠い呼び声の彼方へ!」(独奏は諏訪内晶子)、後半にワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」管弦楽曲集。ふわりと空気のなかから立ち上がって、また淡く消えてゆくような武満作品と、想念で巨大世界を創出してしまうワーグナー作品という、前半と後半でがらりと雰囲気が変わるプログラム。前半は精緻で繊細な響きの芸術。
●後半のワーグナーは少し不思議な選曲と曲順。「指環」ハイライトをオーケストラの演奏会で取り上げる場合、デ・フリーヘル版にしてもマゼール版にしても、いかにオーケストラのみで元の大作のエッセンスを伝えるかという前提あってのものだと思うが、パーヴォはまったく違った発想で6曲を選んだ。順に、「ワルキューレ」から「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」、同「ワルキューレの騎行」、「ジークフリート」から「森のささやき」、「神々のたそがれ」から「ジークフリートの葬送行進曲」、同「夜明けとジークフリートのラインの旅」、「ラインの黄金」から「ワルハラ城への神々の入城」。元のストーリーを考慮せずに、曲想だけで起承転結を作ったということなんだろうか。一曲ずつ区切って演奏するので、「ワルキューレの騎行」も単独で演奏するときに用いる短い終結部付き。正直なところ狙いはよくわからなかったんだけど、物語性をあえて削ぎ落して並列的な6曲からなる管弦楽組曲に仕立てたといった様子。「ブリュンヒルデの自己犠牲」ではなく、「ワルハラ城への神々の入城」で終わるというのは一種のハッピーエンド化なんだろうか。
●白眉は「森のささやき」。フルート、クラリネット、オーボエのソロの応答は絶品。オーボエには今日も吉井瑞穂さん。ゲスト・コンサートマスターにロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のヴェスコ・エシュケナージ。N響にはたびたび招かれている。

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